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「阿Q正伝」の作品研究
上製
冉秀
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出版社:日本僑報社 |
出版年:2019年12月 |
コード: 208p ISBN/ISSN 9784861852817 |
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本著は魯迅の代表作「阿Q正伝」の作品的意義を魯迅のエッセー「賢人、馬鹿、奴隷」との関連のなかで取り上げるという本研究の基本的視座について述べる。特に、「賢人、馬鹿、奴隷」は三人の登場人物の相互関係を通して、「奴隷」的精神に支配された国民大衆がそこから脱出する見通しを持ち得ない当時の中国社会の絶望的閉塞性を示す。また、「阿Q正伝」に登場する各人物(貧農、女性、地主、知識人等々)の思考、感性、行動が、「賢人、馬鹿、奴隷」における三者に示された各々の人物的特性とその相互関係の具体的展開であることが論証される。即ち本書は、従来の「阿Q正伝」研究を踏まえたうえで、「阿Q正伝」を「賢人、馬鹿、奴隷」と全面的に突合せ、比較検討することで、「阿Q正伝」研究に新しい知見を付け加えるのに成功しており、その学問的意義は明確であるといえる。
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