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日中和平工作秘史 繆斌工作は真実だった
太田茂
出版社:芙蓉書房出版
出版年:2022年11月
コード:   418p   ISBN/ISSN 9784829508473
 
価格 2,970円
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「繆斌(みょうひん)工作」が実現していれば、ヒロシマ・ナガサキもソ連の満州・北方領土侵略もなく、戦争は終結していた! 
日中和平工作史上最大の謎であり、今も真偽の論争がある繆斌工作。約400点の文献資料に基づいて、インテリジェンスの手法オシント(open-source intelligence)と、検事として培ってきた「情況証拠を総合する事実認定の手法」で、繆斌工作の真実性を解明・論証する渾身の書。
軍部・政府中央のインテリジェンスの絶望的お粗末さを明らかにし、今日に通ずる反省・教訓を提示する!

【繆斌工作とは】
重慶の蔣介石の和平交渉の使者として1945年3月、繆斌が来日。小磯國昭首相、緒方竹虎情報局総裁、東久邇宮稔彦王、石原莞爾らはこれを強く推進しようとしたが、重光葵外相らが「謀略」として徹底的に反対した。最終的に天皇が工作中止の引導を渡した。


目次:
第1章 和平工作の諸相
 第1 船津工作から銭永銘工作まで――客観的には実現の見込みは乏しかった
 1 船津工作―川越大使の不適切対応と大山事件の勃発で水泡に
 2 トラウトマン工作―南京攻略で驕った日本の和平条件の吊り上げが蔣介石の退路を断った
 3 宇垣工作―近衛は期待するも、蔣介石の下野にこだわった宇垣の失策と外相辞任によりあっけなく崩壊
 4 汪兆銘工作―汪兆銘の梯子を外した南京政府の露骨な傀儡化が工作成功の芽を摘んでしまった
 5 小野寺工作―影佐らの汪兆銘工作に屈して実らず
 6 蘭工作・桐工作―南京政府樹立と承認を妨害する重慶側の謀略の疑い?
 7 銭永銘工作―松岡外相が張り切ったが、やはり影佐の汪兆銘工作に負けてしまった
 第2 戦争末期に試みられた中国との和平工作――実現の可能性を秘めていた
 1 何世楨工作―近衛文麿の実弟水谷川忠麿が取り組んだ
 2 吉田東祐によるその後の工作
 3 今井武夫による工作―認識の甘さに衝撃、時すでに遅かった
 4 中山優・傅涇波、スチュワート工作
 5 安江仙弘陸軍大佐によるユダヤルート工作―ユダヤ人を助けた安江大佐に重慶は注目した。石原莞爾も支援
 第3 欧州を舞台とする和平工作――アメリカのソフト・ピース派のアレン・ダレスらOSSが主導、アメリカの和平の意思を示すが日本の為政者の無理解により実らず
 1 バッゲ工作―重光外相が東郷外相に引き継がなかった
 2 小野寺工作―岡本公使の妨害と陸軍中央の無理解により実らず
 3 欧州での和平工作に活躍したアレン・ダレスとOSS――繆斌工作の真実性判断の上でも重要
 4 海軍の藤村ルートによるダレス工作
 5 バーゼルの国際決済銀行(BIS)の吉村、陸軍の岡本、外交官加瀬らによるダレス工作
 6 バチカン工作

第2章 蔣介石論 蔣介石は日本との和平を求めていた
 1 蔣介石は、日本を深く理解していた
 2 反共と国共合作のジレンマに悩み続けた蔣介石
 3 カイロ宣言の甘言と、テヘラン、ヤルタでのスターリン、ルーズベルト、チャーチルの裏切り
 4 蔣介石は中国を裏切るヤルタの密約を早くつかみ、苦しんだ
 5 蔣介石は、満州問題の特殊性をよく理解していた
 6 蔣介石は、日中戦争の「国際的解決」を基本方針としつつ、日本との和平方策も捨てず、それは状況に応じて変化していた(鹿錫俊教授による蔣介石日記の分析)
 7 蔣介石の「以徳報怨」は、その一貫した対日姿勢の具体化だった
 8 蔣介石の二面性――鉄の意志と冷酷さ
 9 蔣介石が選んだ「人」へのメッセージは一貫していた
 
第3章 アメリカに日本との和平の意思はあった
 1 蔣介石には日本との単独和平のカードもあった
 2 鍵はアメリカの日本との和平意思の有無にある

第4章 繆斌工作は真実だった
 第1 繆斌工作の概要
 1 工作の発端から始動まで
 2 工作の開始
 3 繆斌来日と東久邇宮、緒方竹虎らとの会談――東久邇宮は繆斌を信じた
 4 ほとんど「因縁」に近い最高戦争指導会議での反対論
 5 小磯や東久邇宮らの最後の努力
 6 天皇が工作中止の引導を与えた
 7 石原莞爾との対面
 8 中国でのその後
 第2 繆斌工作にかかわった人々――心ある「国士」たち
 1 繆斌
 2 蔣君輝
 3 戴笠
 4 田村眞作
 5 緒方竹虎
 6 南部圭助
 7 小磯國昭
 8 山縣初男
 9 東久邇宮稔彦王
 10 石原莞爾
 11 辻政信
 12 近衛文麿
 13 そのほか
 第3 戦後の関係者の回想
 1 否定的な回想
 2 繆斌工作の真実性を信ずる人たちの回想
 第4 繆斌工作の真実性の検討
 1 その鍵は、当時蔣介石に日本との和平の意思があったか否かにある
 2 重光が固執した南京政府は和平交渉の窓口にはなりえなかった
 3 周仏海日記などに見る南京政府の実情
 4 蔣介石は、和平工作を外交ルートに乗せることは絶対にできなかった
 5 繆斌は、蔣介石が和平の窓口とするのにうってつけの人物だった
 6 繆斌は真に和平を求める以外に工作をする動機はなかった
 7 繆斌の戦局の推移や予測は極めて的確だった
 8 繆斌らが考えた和平条件は極めて合理的なものだった
 9 繆斌刑死の経緯と理由
 10 蔣介石は「組織」ではなく「人」を選んでいた
 11 アメリカをどうやって和平に引き込むか
 12 日本政府や軍幹部の客観情勢認識の恐るべき不足と甘さ
 13 繆斌工作否定論の「次元の低さ」
 第5 安江工作と表裏一体だった繆斌工作

おわりに
 すべてに通じる「ちぐはぐさ」、「組織の論理」、「官僚的発想」
 孫子の兵法を会得していた蔣介石、悪しき成功体験で堕落した軍部、政治家、マスコミ
 お粗末極まりなかったインテリジェンス、外交官と軍人の対立
 外交官の中にも的確に情勢を把握していた者がいた
 なぜ、政府と軍部の「インテリジェンス」がお粗末だったのか?
 立場と視点の違いによる人物評価の難しさ
 日本人は日中和平に尽くした汪兆銘や繆斌らを忘れるべきではない
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