一帯一路 多元的視点から読み解く中国の共栄構想
上製
岑智偉,東郷和彦 編著
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出版社:晃洋書房 |
出版年:2021年12月 |
コード: 270p ISBN/ISSN 9784771033641 |
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中国が推し進める「一帯一路」構想は、世界に大きなインパクトをもたらしている。 果たしてそれは中国による覇権を目指す新帝国主義か、あるいは平和と繁栄をもたらす共栄構想か。 本書は、「一帯一路」の姿を経済・国際関係・国際法・安全保障など多元的な視点から分析。 日本と中国の研究者が議論を重ね、一帯一路のあるがままの姿を描き出そうとした画期的な成果。
目次:
序 章 等身大の「一帯一路」――日中の認識の異同を解き明かす ――(東郷和彦) 1 米中対立激化の下での「一帯一路」日中共同研究 2 本書における各章論旨の若干の道案内
第Ⅰ部 経 済
第1章 「歴史的中国経済周期」から読み解く「一帯一路」(岑智偉) はじめに 1 世界的経済循環論 2 歴史的中国経済周期から読み解く「一帯一路」 おわりに
第2章 「一帯一路」を見る経済史的新視点――「世界的経済循環論」――(岑智偉) はじめに 1 歴史的技術変化を伴うマルサスモデル(MMHTC) 2 MMHTC による「世界的経済循環」の理論的考察 おわりに
第3章 「一帯一路」沿線国間の二国間貿易及びバリューチェーン貿易の変化(張鵬飛・沈玉良) はじめに 1 中国と「一帯一路」沿線国との貿易関係 2 「一帯一路」沿線国のグローバル・バリューチェーン関与についての分析 3 貿易協力が「一帯一路」沿線国のグローバル・バリューチェーン向上をもたらすメカニズム おわりに 付録 GVC参加度指数とGVC位置指数の計算方法
第4章 「一帯一路」構想と中国の対外投資新戦略(趙蓓文・金川) はじめに 1 双方向直接投資構造下における中国の対外投資新戦略 2 「一帯一路」構想と中国対外投資戦略の新たな方向性 3 中国企業の「一帯一路」沿線国家での投資の重点産業 おわりに
コラム1 「中国の周期性循環」論からみる「一帯一路」(趙強)
第Ⅱ部 地 域
第5章 「一帯一路」構想と日本外交(東郷和彦) はじめに 1 「一帯一路」構想に対する日本側の最初の取り組み――2013~2016年―― 2 「一帯一路」構想に対する日本側の最近の取り組み――2016~2019年―― 3 「一帯一路」の歴史的背景と日本の位置 おわりに
第6章 「一帯一路」構想とRCEPの内在的関係(劉阿明) はじめに 1 RCEPと「一帯一路」構想との目標上の相互促進 2 RCEPと「一帯一路」構想の手段上の相互補完 3 RCEPと「一帯一路」構想の理念における一体性 おわりに
第7章 「一帯一路」と日露の戦略(河原地英武) はじめに 1 中露の共同歩調 2 ロシアの独自政策 3 日本の立場 4 今後の展望 おわりに
第8章 政治と経済の相互作用から見る「一帯一路」――東南アジアを例として――(李開盛) はじめに 1 東南アジアにおける「一帯一路」構想推進の経済的背景 2 「一帯一路」に影響を及ぼす政治的要因 3 政治と経済の相互作用――中国の政策とASEANの反応―― おわりに――結論と展望――
コラム2 「一帯一路」をどう見るか(滝田豪)
第Ⅲ部 国際秩序
第9章 「一帯一路」と国際法――主権尊重と平等互恵の視点から――(岩本誠吾) はじめに――一帯一路構想の概要とその課題―― 1 平和五原則の両面性 2 金融支援機関の国際比較 3 紛争解決システムの法整備化 おわりに――一帯一路の展望――
第10章 グローバル化、グローバル・ジハードと「一帯一路」構想(王震) はじめに 1 グローバル・ジハードに対するグローバル化の影響 2 グローバル化の背景におけるグローバル・ジハード運動 3 「一帯一路」構想とグローバル化 4 グローバル・ジハード運動の「一帯一路」構想への影響 おわりに
第11章 「一帯一路」構想の機能的論理(呉澤林) はじめに 1 「一帯一路」構想の機能的協力――ユーラシア大陸の強固な接続の促進―― 2 「一帯一路」構想の機能的協力――ユーラシア大陸貿易の均衡ある発展の推進―― おわりに
第12章 「一帯一路」は国際秩序への挑戦か?――「ガバナンス」を手がかりとして――(中岡大記) はじめに 1 「ガバナンス」をめぐる援助政策 2 「ビジネス性」を媒介とした「ガバナンス」の収斂可能性 おわりに
コラム3 歴史的観点からみた一帯一路(玉木俊明)
終 章 日中共同研究――噛み合う議論――(岑智偉)
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