唐代前期北衙禁軍研究
/汲古叢書164
上製
林美希
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出版社:汲古書院 |
出版年:2020年12月 |
コード: 358p ISBN/ISSN 9784762960635 |
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宮廷政変と表裏一体の、北衙の構造と性格を正面から問い直す!
唐王朝の軍事力は、府兵制という一元的なシステムのみでは捕捉できないさまざまな性格・出自を持つ者たちによって重層的に形作られているということに気がつく。それは唐が、少なくともその前半期においては、多元的な構造を有する「帝国」であったこととも深い関係があるだろう。その最大の特色とされる「国際性」や「帝国的支配体制」とはどのような構造を持ち、それはどのような装置によって機能していたのか、本書が目指すのはその解明である。そして軍制に限っていえば、国の根幹をなす軍事力とはいかなるものであったのか、という問題については、これまで捨象されてきた近衛兵たち、すなわち北衙禁軍の存在こそが新たな手がかりを与えてくれるのではないだろうか。(中略)本書は、以下の二部構成をとる。まず第Ⅰ部「前期北衙の誕生と宮廷政変」では、唐代前期において北衙という軍事組織がどのように発展したのかという問題を、それと密接に関わる宮廷政変と馬政という切り口から考察する。続いて第Ⅱ部「変貌する北衙と安史の乱」では、唐王朝を大きく変貌させた安史の乱を念頭に置きながら、北衙は王朝のなかでどのような機能・役割を負っていたのかという問題にアプローチする。
目次: 序章 (1)問題の所在 (2)先行研究の成果と課題 (3)本書の視座と構想 第Ⅰ部 前期北衙の誕生と宮廷政変 第一章 唐代前期宮廷政変をめぐる北衙の動向 一 唐代兵制における北衙の位置づけ 二 五つの宮廷政変の形勢と兵力の動向 三 宮廷政変の条件と北衙のセオリー 第二章 唐代前期における北衙禁軍の展開と宮廷政変 一 北衙に関する先行研究と基本史料 二 前期北衙の成立 三 前期北衙のその後の展開 四 宮廷政変と北衙禁軍の相関性 第三章 閑厩体制と北衙禁軍 一 唐の閑厩とその変遷──左右六閑から内外閑厩へ 二 閑厩での飼養とその立地 三 北衙と閑厩馬の関係 第四章 厩馬と馬印──馬の中央上納システム── 一 監牧での馬の飼養とその用途 二 馬の移管──地方から中央へ 三 上納馬の選抜印とその機能 第Ⅱ部 変貌する北衙と安史の乱 第五章 左右龍武軍の盛衰──唐元功臣とその後の禁軍── 一 唐元功臣の解釈をめぐって 二 龍武軍における唐元功臣の分布 三 安史の乱と唐後半期の北衙 第六章 長安城の禁苑と北衙 一 唐長安城の禁苑とは 二 軍事拠点としての禁苑 三 皇帝親衛兵の理念と現実 第七章 唐代前期における蕃将の形態と北衙禁軍の推移 一 蕃将の原初的形態と北衙との関わり 二 北衙蕃将の盛衰と変貌 三 北衙の段階的発展と蕃将の動向 第八章 「国際紛争」としての安史の乱──幽州と霊州の間── 一 唐の羈縻政策と北衙蕃将──安史の乱の背景 二 安史の乱の構図──幽州と霊州の攻防 三 朔方節度使の兵力と戦力構成 終章 (1)第Ⅰ部のまとめ (2)第Ⅱ部のまとめ (3)得られる知見と今後の見通し 参考史料・文献一覧 初出一覧 あとがき 英文目次 中文要旨 索引
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