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中国南北朝寒門寒人研究 /汲古叢書160 上製
榎本あゆち
出版社:汲古書院
出版年:2020年10月
コード:   522p   ISBN/ISSN 9784762960598
 
価格 12,100円
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隋唐統一帝国の下地を形成した「越境者」――寒門寒人の実態に迫る!

【はしがきより】(抜粋)
本書は、書下ろしの第十一章を除き、筆者がこれまでに発表してきた論考のうち主なるものを集めたものである。寒門寒人研究と題した第一編のみならず、全体のテーマは南北朝期における寒門寒人問題である。
六朝、特に南北朝社会には所謂門閥貴族によって否定的価値を意味する「寒」という語を冠せられるところの様々な新興勢力が存在した。彼らは門閥貴族に蔑視されながらも次第に政治的軍事的、さらには文化的力量を蓄え貴族層に対抗していった。その対抗・挑戦の歴史を考察することで、南朝社会がいかに次代の隋唐世界に影響したのかを問いかけようとするのが筆者の基本的姿勢である。なお筆者のいう寒門は、それなりの族的或いは地域的背景を有し文武の官僚組織に官として参与しうる存在とみなされながらも、貴族層によって彼らよりも卑しい身分とみなされる人々を指し、寒人は本来全く官には無縁な庶民出身者を想定している。

目次:
序文

第一編 南朝寒門寒人研究
 第一章 梁末陳初の諸集団について――陳覇先軍団を中心として――
 はじめに
 一 陳覇先集団の形成過程
 二 広州の陳覇先グループ
 三 嶺南地方と江南将帥層
 四 陳覇先グループと嶺南・南川の土豪
 五 梁末陳初の諸集団
 六 南朝後期の任侠的結合関係
 おわりに
 第二章 東晉・南朝の民衆運動と水上交通――南康の営民鵃舟了船の越人――
 はじめに
 一 六朝期の南康郡について
 二 東晉末期盧循北上期の南康と原住種族、及び水上交通者
 南康の木客
 南康の営民
 三 梁末陳初の南康と水上交通者
 梁末南康における在地勢力と嶺南洗氏
 南康周辺地域の水上交通者――特に鵃舟了船の越人について――
 四 劉宋期から梁末にいたる南康について
 おわりに
 第三章 劉孝標をめぐる人々――南朝政治史上の平原劉氏――
 はじめに
 一 劉孝標の出生と北魏における生活
 二 南朝への帰還と南斉時代
 孝標と崔慰祖
 南斉武帝死後の政治史と孝標
 三 梁代の劉孝標と平原劉氏
 梁天監年間の孝標の活動とその記録をめぐる問題――所謂錦被事件を中心として――
 劉杏兄弟と孝標――類書編纂の系譜に関連して――
 おわりに――残された課題
 第四章 南朝貴族と軍事――南斉の雍州刺史王奐を中心として――
 はじめに
 一 南朝貴族と中央・地方軍 
 二 王奐の出自と劉宋期の経歴
 三 南斉期の王奐
 王奐と南蛮府・江州軍府の廃止
 王奐の領軍将軍就官と護軍将軍人事
 雍州刺史就任をめぐって
 反乱
 おわりに――残された課題

第二編 南北朝中書舎人研究
 第五章 梁の中書舎人と南朝賢才主義
 はじめに
 一 梁代中書舎人と賢才主義
 初期(天監年間)の中書舎人
 中期(普通年間)以降の中書舎人
 礼学と政治世界
 二 梁代中書舎人の変容とその諸要因
 舎人の兼官について
 賢才主義と門閥貴族
 貨幣経済と舎人
 おわりに――南朝賢才主義の行方――
 第六章 北魏後期・東魏の中書舎人について
 はじめに
 一 南北朝の中書舎人と賢才主義および兼官制
 二 北魏孝文・宣武帝期の中書舎人
 三 孝明帝期の中書舎人
 四 孝荘帝期・東魏の中書舎人
 おわりに――北魏後期・東魏の舎人と兼官制
 第七章 北斉の中書舎人について――顔之推、そのタクチクスの周辺――
 はじめに
 一 文宣帝期の中書舎人
 軍務官としての舎人
 二重国都・尚書制と舎人
 二 北斉後期の中書舎人
 軍務官と北斉後期政治史
 後期舎人達
 おわりに
 第八章 西魏末・北周の御正について
 はじめに
 一 西魏末から北周明帝期まで
 二 武帝即位から字文護の死まで
 三 武帝親政期
 四 宣帝期
 おわりに

第三編 南朝帰降北人研究
 第九章 帰降北人と南朝社会――梁の将軍蘭欽の出自を手がかりに――
 はじめに
 一 北族蘭氏
 蘭欽の事蹟とその伝について
 五胡十六国期の蘭氏
 北魏期の蘭氏
 北魏末以降の蘭氏
 二 北魏南辺城民
 南辺城民の構成要素とその境遇
 南北両王朝国境地帯における貨幣流通経済の影響
 おわりに
 第十章 南斉の柔然遣使 王洪範について――南朝政治史における三斉豪族と帰降北人――
 はじめに
 一 王洪範の遣使をめぐる国際情勢
 二 王洪範の出身と遣使までの経歴
 三 帰朝後の王洪範と南斉軍事史
 永明期――梁州と三斉豪族――
 武帝の死から明帝即位まで――明帝と三斉豪族――
 建武年間――北魏との戦いと王洪範の死――
 おわりに
 第十一章 侯景の乱前史――寿春・帰降北人・蛮・在地豪族をめぐって――
 はじめに
 一 東晉から南斉にかけての寿春
 二 北魏の寿春占領とその影響――在地豪族と南北境界線上の蛮――
 三 北魏の寿春支配
 四 梁軍の寿春攻撃――北魏南辺軍鎮の動揺と帰降北人・蛮の南叛――
 五 梁の寿春奪還――淮水堰建設と帰降北人王足――
 六 侯景と寿春――梁王朝と在地社会――
 おわりに――武帝と帰降北人、および中原の夢――

第四編 南朝関連史料研究
 第十二章 姚察・姚思廉の「梁書」編纂について――臨川王宏伝を中心として――
 はじめに
 一 『梁書』をめぐる趙翼と朱希祖の見解
 二 『梁書』と『南史』の臨川王宏伝
 三 臨川王宏の官歴についての『梁書』の記載
 四 呉興武康の姚氏と臨川王家
 おわりに
 第十三章 『南史』の説話的要素について――梁諸王伝を手がかりとして――
 はじめに
 一 『南史』と『梁書』の梁諸王伝
 両書の比較
 『南史』梁諸王伝中の小説的要素
 二 北朝後期士大夫社会における談論の風潮
 『冤魂志』中の説話「蕭続」について
 『談藪』と旧北斉系士人社会
 おわりに
 第十四章 再び『南史』の説話的要素について――蕭順之の死に関する記事を手がかりとして――
 はじめに
 一 蕭鸞擁立をめぐる『南史』の記述について
 二 南斉王室における同族対立について
 三 『南史』中の蕭衍像
 四 旧北斉系士人と李延寿
 おわりに

あとがき――「越境者の肖像」によせて――

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