| 最後の猿まわし 最后的耍猴人
                
                上製 馬宏傑/永野智子 訳
 | 
              
                |  | 
              
                | 出版社:みすず書房 | 
              
              
                | 出版年:2023年02月 | 
              
              
                | コード:              346p    ISBN/ISSN   9784622095873 | 
              
                |  | 
              
                | 
                    
                      |  |  | <東京店在庫有り> 東京店に在庫がございます。少部数のものもございますので、ご来店の場合は直接お問合せください。
 |  |  |  | 
              
                |  | 
              
                | 河南省南陽市新野県は、猿まわし発祥の地といわれ、中国で最も多くの猿まわし師が住む地域でもある。写真記者の著者は2001年に街で猿まわしの一座と出会い、それをきっかけに、彼らの生活を取材しはじめる。 
 猿まわし師たちは初夏の麦刈りと秋の収穫の時期を除き、1年のほとんどを猿を連れ、各地を渡り歩いて過ごす。痩せた土地に住む人々は、先祖代々、農閑期に猿まわしをして現金収入を得ることで生計を立ててきたのだ。
 しかし、2002年に鮑湾村の猿まわし師・楊林貴の不法乗車による興行の旅に同行した著者は、“文明化”の名の下に社会から蔑まれ、排斥にあう彼らの厳しい境遇を目の当たりにする。経済発展に伴い都市部の治安・衛生管理が強化され、また文化的娯楽が多様化したことで、彼らは居場所を失いつつあった。特に近年、鞭やナイフを使い猿と諍いをする彼らの出し物は、虐待的だと非難されるようになっていた。しかし、猿まわし師たちは生活において何よりも猿を重んじ、一生にわたる縁を結んでいるのだった。著者は言う。
 「中国は広大な国だ。地域間の貧富の差はいまだに大きく、私たちの誰もが、自分の住んでいる地域の暮らしをもって別の地域の人々の生活を理解することはできない。とりわけ貧困地域では、法律や倫理に反さない方法を見つけて生き延び、自活するということは非常に難しい。」
 
 猿まわしで生きる最後の世代を20年にわたって追い、中国で社会的反響を呼んだノンフィクション。
 カラー写真23点を含む、100点以上の写真を収録。
 
 
 目次:
 序 最下層で生きる人々への関心
 
 ・猿まわしを探して
 猿まわし師に近づく
 新野県と猿まわし
 時代のなかの猿まわし
 不法乗車の血と涙
 
 ・猿まわし、江湖をゆく
 四川行
 楊林貴との出会い / 旅の準備 / 出発 / 不法乗車 / 長い道のり / 成都の街頭で猿をまわす / 猿まわし師の憂い / 帰郷
 広東行
 SARSの襲来 / 歳末の広東 / 予想外の来客 / 正月一日、財神を拝む / 往時の猿まわし
 東北行
 内モンゴルへ / ハイラルでの再会 / 満州里 / 不法乗車の終焉
 猿まわしの家に生まれて
 最後の猿まわし
 
 ・猿まわしの群像
 戈洪興との再会
 飼育人、黄愛青
 雲南に張首先を訪ねる
 謎の猿まわし師
 女性猿まわし師、党有嬌
 道具職人、汪広亭
 民間の習俗と「野生動物保護法」
 飼育繁殖業への移行
 喬梅亭の人生
 罪に問われた猿まわし師たち
 
 後記 楊林貴との再会――日本語版へのあとがきに代えて
 
 | 
              
              
              
                |  |