指紋と近代 移動する身体の管理と統治の技法
上製
高野麻子
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出版社:みすず書房 |
出版年:2016年02月 |
コード: 304p ISBN/ISSN 9784622079675 |
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指紋によって個人を識別する「指紋法」という技術は、19世紀末のイギリスの植民地インドで実用化され、瞬く間にヨーロッパ諸国とそれらの植民地、そして日本を経由して傀儡国家「満洲国」に伝わった。指紋法は移動する人びとを、国家や植民地統治者が把握・管理可能な状態に置くための統治の技法だった。いったい、近代的統治は何を目指そうとしたのか。そこにはどのような暴力が内在しているのか。本書は、指紋法による身体管理の歴史的変遷から、これらの問いを明らかにしようとするものである。 《目次》序章 指紋をめぐる問い/第1章 「指紋法」誕生の軌跡――イギリス帝国のネットワークと移動する身体という「課題」/第2章 指紋法の伝播――イギリス帝国から日本帝国へ/第3章 満洲国の理想と現実――建国当初の指紋登録をめぐる動き/第4章 労働者指紋登録の開始――労働者移動と格闘する時代へ/第5章 労働者管理から国民登録へ――国民手帳法という結末の意味/第6章 警察制度改革と拡大する指紋――警察指紋・国民指紋法・県民指紋登録/第7章 戦後日本の再編と指紋――戸籍法・住民登録法・外国人登録法/終章 生体認証技術の現在を考えるために
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