中国の名作をどう読むか 真の主題を見極める
下定雅弘
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出版社:勉誠社 |
出版年:2025年05月 |
コード: 592p ISBN/ISSN 9784585390480 |
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作者の思考と心情にせまる
中国の古典には、王羲之「蘭亭序」、杜甫「感時花濺涙、恨別鳥驚心」、沈既済『枕中記』、李商隠「夕陽無限好、只是近黄昏」など名作・名句と言われながら、その主題や解釈に議論があるものが少なくない。それら未解決の名作を取り上げ、あくまで原文に即しつつ、一字一句の典拠や作品の背景を究明し、あまたの議論に終止符を打つ。
好評を博した『中国古典をどう読むか――規範からの逸脱、規範への回帰』の姉妹版。
目次: はじめに
第一章 王羲之「蘭亭序」―死への恐れと悲しみ 第二章 陶淵明「飲酒二十首」―官界から田園へのはざまで 第三章 柳宗元の愚渓と謝霊運の始寧―わが園林への愛 第四章 杜甫「春望」の「感時花濺涙、恨別鳥驚心」―「花」も「鳥」も詩人と一つ 第五章 沈既済『枕中記』―幸せの鍵は欲をおさえることに 補論 李公佐『南柯太守伝』―人生は不可知の何者かに操られている 第六章 『杜子春伝』―いかなる情よりも深い母の愛 第七章 白居易「琵琶引」―自分と女性と音楽への愛の結晶 第八章 白居易「燕子楼三首」―主人を亡くした妓女の悲哀への共鳴 第九章 李商隠「夕陽無限好、只是近黄昏」―「只是」は「しかし」か「ひたすら」か 第十章 李商隠「曲江」の「傷春」―時代の惨劇に関われない痛苦 第十一章 蘇東坡の酒―生涯のこよなき伴侶
あとがき 参考文献 初出一覧
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