仏教の東漸と西漸
/アジア遊学251
荒見泰史 編
|
|
出版社:勉誠出版 |
出版年:2020年08月 |
コード: 256p ISBN/ISSN 9784585227175 |
|
|
|
言語・思想・政治にみる宗教の伝播と変容
仏教の伝播は、従来インドから中国を経て東アジアや東南アジアへと伝わる「東漸」に着目して論じられることが多かった。しかし、東アジアの中心である中国で受容・昇華された仏教が中国から外部へと向かっていく方向性にも目を向けなければ、伝播の実態をつかむことはできない。本書では中国への「東漸」の逆方向をイメージするためにこの外部に向かう方向性を「西漸」と称している。さまざまな儀礼や経典、文学、図像を取り上げ、各時代の広い社会層における信仰・宗教の伝播と継承、衝突と融合の実態を東漸と西漸の双方向から考察し、新しい文化史を構築する。
目次: 総論 仏教の東漸と西漸(荒見泰史)
一、儀礼とそのことば 頌讃の文学(荒見泰史) 志慕玄奘、独步五天(こころざしたてて玄奘をしたい、ひとりごてんをあゆむ)─唐五代宋初の讃と玄奘、義浄の讃(楊明璋) 清代前期、媽祖信仰・祭祀の日本伝播とその伝承―ヨーロッパの東アジア進出も視野に入れて(松尾恒一)
二、尊像の造形と伝承 信仰における図像と継承―敦煌に見られる山と天界の図像を中心として(荒見泰史) 五臺山騎獅文殊尊像群の東漸と西漸―五臺山・比叡山・敦煌の尊像群から(白須淨眞)
三、経典と物語、その伝播 『賢愚経』の伝播(髙井龍) 『キツツキと獅子』説話の伝播と発展(梁麗玲) 『仏母経』の流行から見る疑経の受容(岸田悠里) 明代、南シナ海の海盗の活動と記憶―日本・中国大陸・東南アジアの宗教史跡をめぐって(松尾恒一)
|
|