この世のキワ 〈自然〉の内と外
/アジア遊学239
山中由里子,山田仁史 編
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出版社:勉誠出版 |
出版年:2019年10月 |
コード: 368p ISBN/ISSN 9784585227052 |
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境界に立ち現れる身体・音・モノ―
「驚異」と「怪異」に共通する「異」なるものへの視線は、自己と他者、自己と宇宙の境界認識によって形作られるものであり、自然の中での人間の立ち位置を映し出す鏡でもある。その「驚異」と「怪異」の表象を、ユーラシア大陸の東西の伝承・史料・民族資料・美術品に探り、「自然」と「超自然」の境界領域、「この世」と「あの世」の心理的・物理的距離感、境界に立ち現れる身体・音・モノなどについて、総勢25名の豪華執筆者が学際的に考察する。
目次: 口絵/関連年表 序章―自然界と想像界のあわいにある驚異と怪異(山中由里子)
Ⅰ 境―自然と超自然のはざま 自然と超自然の境界論(秋道智彌) 中国古代・中世の鬼神と自然観―「自然の怪」をめぐる社会史(佐々木聡) 怪異が生じる場―天地と怪異(木場貴俊) 百科事典と自然の分類―西洋中世を中心に(大沼由布) 怪物の形而上学(野家啓一)
Ⅱ 場―異界との接点 平安京と異界―怪異と驚異の出会う場所〈まち〉(榎村寛之) 驚異の場としての「聖パトリックの煉獄」(松田隆美) 怪物たちの棲むところ―中世ヨーロッパの地図に描かれた怪物とその発生過程(金沢百枝) 妖怪としての動物(香川雅信) イスラーム美術における天の表象―想像界と科学の狭間の造形(小林一枝) 歴史的パレスチナという場とジン憑き(菅瀬晶子)
Ⅲ 体―身体と異界 妖怪画に描かれた身体―目の妖怪を中心に(安井眞奈美) 平昌五輪に現れた人面鳥の正体は―『山海経』の異形と中華のキワ(松浦史子) 魔女の身体、怪物の身体(黒川正剛) 中東世界の百科全書に描かれる異形の種族(林則仁)
Ⅳ 音―聞こえてくる異界 西洋音楽史における「異界」表現―試論的考察(小宮正安) カランコロン考―怪談の擬音と近代化(井上真史) 「耳」「声」「霊」―無意識的記憶と魂の連鎖について(稲賀繁美) 釜鳴と鳴釜神事―常ならざる音の受容史(佐々木聡) 死者の「声」を「聞く」ということ―聴覚メディアとしての口寄せ巫女(大道晴香)
Ⅴ 物―異界の物的証拠 不思議なモノの収蔵地としての寺社(松田陽) 寺院に伝わる怪異なモノ―仏教民俗学の視座(角南聡一郎) 民間信仰を売る―トルコの邪視除け護符ナザル・ボンジュウ(宮下遼) 異界としてのミュージアム(寺田鮎美)
終章―驚異・怪異の人類史的基礎(山田仁史)
展覧会紹介「驚異と怪異―想像界の生きものたち」
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