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『大漢和辞典』の百年
上製
池澤正晃
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出版社:大修館書店 |
出版年:2023年12月 |
コード: 260p ISBN/ISSN 9784469232875 |
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世界最大級の漢和辞典はどのようにして作られたか。
「漢和辞典の最高峰」、「東洋文化の一大百科事典」と言われる『大漢和辞典』。 編集・製作にかかわった人々が異口同音に「自分の生涯をかけた仕事」と言った漢和辞典はどのようにして編集・製作されたのか。 大修館書店の創業から『大漢和辞典』の編纂、デジタル版の発行までの軌跡を、出版社、著者の両面からたどり、豊富な図版資料とともに紹介します。 また、戦前・戦中から戦後の印刷、出版事情などにも触れており、出版・印刷の歴史や製本の仕組みなども知ることができる内容です。
著者メッセージ: 「述べて作らず」という言葉がある。古人の遺した教えを述べ伝えることはするが、自ら新しい説を作り出すことはしないという『論語』にみえるこの言葉は、特に古典語の辞書についてその普遍性を論じるときの核心をついているように思う。そして、そのことを証明したのが、デジタル社会において未だに命脈を保ち続けている『大漢和辞典』ではなかろうか。 (「あとがき」より)
目次: プロローグ――「辞書をつくる」ということ
第一部 鈴木一平と諸橋轍次
Ⅰ「出版は天下の公器である」―『大漢和辞典』企画・発行者鈴木一平 本の街の誕生╱鈴木一平、修学堂書店に入店する/出版界先人への憧憬╱大正二年(一九一三)の神田火災╱鈴木一平、大修館書店を創業╱関東大震災╱運び出された紙型╱営業活動を再開する 余滴① 「奥付」を読む
Ⅱ「行くに径に由らず」―『大漢和辞典』著者諸橋轍次 「訓導さま」の家╱静修義塾に学ぶ╱新潟第一師範学校に入学╱出郷╱群馬師範学校に赴任╱二度の中国旅行╱静嘉堂文庫と諸橋轍次 余滴② 越北の鴻都「長善館」の人々
第二部 『大漢和辞典』の百年
Ⅰ大正十五年(昭和元年/一九二六)~昭和九年(一九三四) 鈴木一平、諸橋轍次に漢和辞典編纂を依頼 円本ブームとその終焉╱鈴木一平、漢和辞典を企画する╱明治・大正期の漢和辞典╱鈴木一平、はじめて諸橋轍次と会う╱学位取得╱鈴木一平、店舗を新築する╱「漢和辞典編纂」の契約書を取り交わす╱漢和辞典編纂を開始する╱索引づくりの効用╱刊行計画の変更╱漢字制限の機運のなかで╱盟友、近藤正治╱原田種成の参入╱特設組版工場を新設╱棒組始まる 余滴③ 諸橋轍次監修の漢和辞典 余滴④ もう一つの『大漢和辞典』 余滴⑤ 母型・種字について/紙型・鉛版について
Ⅱ昭和十年(一九三五)~昭和十九年(一九四四) 戦禍の最中、『大漢和辞典』巻一刊行 二・二六事件勃発╱川上市郎の入社╱活字の問題╱彫刻師木村直吉と片岡梅治╱種字彫刻師君塚與一╱諸橋轍次、鈴木一平の申し出を受ける╱鈴木一平の苦悩╱遠人村舎の移転╱鎌田正・米山寅太郎の参画╱吹き荒れる国家統制の中で╱戦争の足音が近づく中、事業継続を確認する╱本文用紙の特別割当を受けるために……╱研究社と名目上の合併を余儀なくされる╱相次ぐ応召・出征╱満州国・建国大学・中野正剛と諸橋轍次╱『大漢和辞典「戦前版」』巻一刊行へ╱内容見本に見る『大漢和辞典[戦前版]』の概要╱朝日文化賞受賞╱諸橋轍次、白内障を患う╱小林信明に後事を託す
Ⅲ昭和二十年(一九四五)~昭和二十九年(一九五四) 焦土からの再出発 真下保爾と川又武の死╱空襲による原板焼失╱校正刷の分散保存╱焦土からの再起╱編纂作業を再開する╱土橋八千太のこと╱活字組版の可能性を探る╱新たな態勢づくりに向けて╱石井茂吉との出会い╱石井茂吉と写真植字機╱写真植字部の設置╱「一寸の巾」式配列法╱大修館書店にとって初めての本格的オフセット印刷╱オフセット印刷の工程
Ⅳ昭和三十年(一九五五)~昭和三十五年(一九六〇) 『大漢和辞典〈初版〉』全十三巻の刊行 刊行・宣伝計画の立案╱予約募集開始╱大漢和用石井細明朝体の完成╱編纂・校正の協力者╱試行錯誤の製版・印刷╱上製本と特製本╱全十三巻完結╱全巻出版記念予約募集╱『大漢和辞典』の編纂意図 余滴⑥ 汗影の像
Ⅴ昭和三十六年(一九六一)~昭和四十五年(一九七〇) 『縮写版』の刊行 著者、諸橋轍次の素顔╱戦後の国語改革と『大漢和辞典』╱『大漢和辞典』を補完するもの╱『縮写版』の刊行
Ⅵ昭和四十六年(一九七一)~昭和六十三年(一九八八) 『修訂版』の刊行 修訂作業始まる╱カード三十万枚にのぼった原典照合作業╱『広漢和辞典』の刊行╱絶筆「穆如清風」╱『修訂版』全十三巻完結
Ⅶ昭和六十四年(平成元年/一九八九)~平成十五年(二〇〇三) 『語彙索引』『補巻』の刊行―全十五巻完結 語辞は煙海の如く広く、……╱『語彙索引』の刊行╱『補巻』の刊行 余滴⑦ 諸橋轍次の風景/鈴木一平の風景
エピローグ――デジタル化は不可能といわれていた『大漢和辞典』
参考文献 あとがき
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