儒学者 兆民 「東洋のルソー」再考
/叢書パルマコン08
田中豊
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出版社:創元社 |
出版年:2024年12月 |
コード: 264p ISBN/ISSN 9784422203003 |
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『民約訳解』が漢文である本当のワケとは?
学者ですら躊躇なく使う中江兆民の代名詞「東洋のルソー」。その由来ともなった『社会契約論』の翻訳『民約訳解』は、なぜ漢文で書かれていたのか。また、その翻訳に込められた兆民の意図とは何だったのか。『民約訳解』を単なる翻訳書ではなく、兆民の思想書として詳細に再検討することで、兆民がルソーを介して、在来思想としての儒教に回帰し、それを刷新しようとした「儒学者」であったことを鮮明にする、画期的な思想史研究。
目次: 序章 「東洋のルソー」はルソーなのか? 第一章 「義」と「利」 第一節 「論公利私利」の思想 第二節 『民約訳解』におけるvolonté générale 第三節 『民約訳解』における「君子」と「小人」 第二章 「君」と「臣」 第一節 「中国のルソー」 第二節 『民約訳解』における「君」(Souverain)と「臣」(Sujets) 第三節 「律例」(loi)について 第三章 「国会」と「討議」 第一節 東アジアにおけるOn Liberty受容の様相 第二節 『民約訳解』と「国会」 第三節 「討議」(délibération)の意義 第四章 「漢文」と「政治」 第一節 漢文で書く意義 第二節 西周における「漢文」と「君子」 第三節 兆民における「漢文」と「君子」 第五章 「立法者」と「制作者」 第一節 兆民の「愚民」観 第二節 ルソーの「立法者」(Législateur)と兆民の「制作者」 第三節 リベルテー・モラル/浩然の一気 終章 「儒学者」から「理学者」へ 補論 中国の『社会契約論』 あとがき 主要参考文献 人名索引
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