いま最も注目される歴史家が、「世界史の流れ」をわしづかみ。君主の称号に注目すれば、「歴史の背骨」が見えてくる
天皇、皇帝、王……。君主の呼称とは、「世界史を貫く背骨」である。その国や地域の人々の世界観の表現であると同時に、国際関係の中での「綱引き」の結果なのだ。古代中国、古代ローマから、東洋と西洋が出会う近代に至るまで、君主号の歴史的変遷を一気に概観し、世界史の流れをわしづかみにする。多言語の史料を駆使してユーラシア全域を見据える、いま最も注目の世界史家が描き切った「統治者」たちの物語。
目次: 序章 なぜ君主号を考えるのか 1 チャールズ「皇太子」の怪 2 東洋史家の辯明いいわけ 第Ⅰ章 「皇帝」 1 皇帝への道 2 皇帝の確立 3 「天下」の秩序とその破綻 4 並立する皇帝、相剋する胡漢 第Ⅱ章 多元化する「皇帝」 2 隋・唐の統一と解体 2 共存と「混一」 3 華夷秩序の天下 4 清朝と西洋――「皇帝」の定着 第Ⅲ章 西洋 1 ローマ 2 皇帝と中世 3 近代ヨーロッパの形成と「皇帝」の運命 4 離れゆくイギリス 5 「帝国主義」の時代 第IV章 日本の君主号と翻訳 1 天皇号 2 日本国王 3 「公方」と「皇帝」と「国王」 4 「大君」とその変貌 第V章 世界史の転回――近代日本と東アジア 1 「大日本帝国」の誕生 2 維新の波紋 3 東アジアの変貌 終章 現代世界の君主号 1 帝国の運命 2 現代の世界と日本 あとがき 主要参考文献
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