倭寇とは何か 中華を揺さぶる「海賊」の正体
/新潮選書
岡本隆司
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出版社:新潮社 |
出版年:2025年02月 |
コード: 224p ISBN/ISSN 9784106039225 |
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日本史学は「倭寇は日本人主体ではない」と立証した。それでは、彼らは何者だったのか。グローバルな視座から東アジアの長期的な構造をとらえなおし、倭寇が収束したとされる17世紀以降も次々と「海賊」が現れ、今なお「中華」の秩序を揺さぶり続けている状況を解き明かす。世界史の見方が大きく変わる、岡本史学の決定版!
目次: はじめに
第1章 「倭寇」をみなおしてみる 1 経過と言説 「倭寇」という語句/ことばと事実/矛盾/「倭寇」のはじまり/「倭寇」の命名 2 研究の進展 概念の理解/潮流の変化/「倭人」の世界/「倭人」と「倭寇」のあいだ 3 契機と過程 「前期倭寇」と「後期倭寇」/前・後を分かつもの/政権の体質/後期倭寇へ/関心の所在 4 「倭寇的状況」をこえて 王直という典型/「倭寇国の王」/「倭寇的状況」/「倭寇」の収束?/「倭人」のゆくえ/「華人の貿易ネットワーク」
第2章 「互市」の時代 1 鄭成功 事例として/「和藤内」/鄭氏政権の興起/海禁の復活と鄭氏の敗亡/「倭人」の限界 2 「倭寇」から「互市」へ 海禁解除/「華夷同体」/海関の設置/海関の制度的位置/制度構造/「互市」のはじまり――日中貿易の帰趨とデフレの脱却 3 「倭寇」「互市」から「夷務」へ 康煕から乾隆へ/日本から西洋へ/近世から近代へ/光と翳/「夷務」
第3章 近代史という「倭寇」 1 アヘン戦争と「条約体制」 アヘン貿易/「自由貿易」/「互市」の転変/「華夷同体」の転化/「条約港」/立場がかわると/「延長」 2 「洋務」の展開 移民と内憂外患/李鴻章と「洋務」/明治日本・森有礼からみると/「洋務」の群像/小康のしくみ 3 世紀末にあたって 日清戦争の位置/均衡の喪失と李鴻章/「瓜分」という「華夷同体」/義和団事変の含意
第4章 革命とは「倭寇」? 1 変法 見取り図/変法の位置づけ/康有為という「華夷同体」/政変/世紀交の転換/梁啓超という「華夷同体」 2 孫文と「革命」 「中華」から「中国」へ/「革命」という概念/革命家/生涯/是非/争奪 3 「革命」の進展 三民主義と「革命」/「革命」の概念と現実/「革命の父」「国父」/転換と逝去 4 孫文という「倭寇」 遺言と生涯/「専政君主主義」/歴史的慣性と「華夷同体」/「五族共和」/やはり「倭寇」
第5章 「倭寇」相剋の現代中国 1 国民政府の時代 蒋介石と国民政府/転身/三つ巴/「合作」から内戦へ/「倭寇」の再現? 2 中華人民共和国 対外危機/国内統合/文化大革命/毛沢東からトウ小平へ 3 香港の履歴と運命 「改革開放」の意味/習近平の登場と香港問題/「雨傘革命」から国家安全維持法へ/「一国二制度」の帰趨/香港という「倭寇」 4 現代と「倭寇」 両岸三地/あらためて、「倭寇」とは何か/その本質は/なれの果て
おわりに 参考文献
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