興亡の世界史 東インド会社とアジアの海
/講談社学術文庫
羽田正
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出版社:講談社 |
出版年:2017年11月 |
コード: 416p ISBN/ISSN 9784062924689 |
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講談社創業100周年記念企画「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評、第3期の3冊目。近年ますます進展する世界の「グローバル化」は、いつ始まったのか。ひとつの大きな転機をもたらしたのが、17世紀のヨーロッパに相次いで誕生した「東インド会社」である。本書は、この「史上初の株式会社」の興亡を通して、世界が近代に向かって大きく変貌した200年を描きだす異色作である。ヴァスコ・ダ・ガマの「インド発見」に始まった「ポルトガル海上帝国」に代わって、16世紀末から東インド航海で大きな富を得たのが、オランダとイギリスだった。喜望峰からインド、東南アジア、中国、長崎にいたる海域、すなわち「アジアの海」が、この時、世界の中心となり、人々の交流の舞台となったのである。イェール大学の設立に大きく寄与したイギリス東インド会社マドラス総督、エリフ・イェールや、平戸の日蘭混血児で後にオランダ東インド会社バダヴィア首席商務員の妻となったコルネリアなど、数奇な運命をたどった人びと。綿織物や茶、胡椒など、ヨーロッパの市場を刺激し、近代の扉を開いたアジアの商品。そして、東インド会社がその歴史的役割を終えた時、世界はどのように変貌していたのか。
原本:『興亡の世界史15 東インド会社とアジアの海』講談社 2007年刊
目次: はじめに 第一章 ポルトガルの「海の帝国」とアジアの海 ヴァスコ・ダ・ガマのインド「発見」 ポルトガルの「海の帝国」 ポルトガル海上帝国の成立 「海の帝国」の限界 第二章 東インド会社の誕生 東インド会社の設立 東インド会社のインド洋海域への進出 東インド会社の仕組み 第三章 東アジア海域の秩序と日本 明帝国と東アジア海域の国際秩序 ポルトガル人の進出とイエズス会 日本の「鎖国」政策とオランダ東インド会社 第四章 ダイナミックな移動の時代 アジアの人々の移動 東インド会社の船 ヨーロッパの人々の往来 アジアの船│ダウとジャンク 第五章 アジアの港町と商館 長崎とオランダ東インド会社商館 マドラスとイギリス東インド会社商館 バンダレ・アッバースと複数の東インド会社商館 第六章 多彩な人々の生き方 長崎と女性・混血児 マドラスと私貿易 バンダレ・アッバースと商館長 第七章 東インド会社が運んだモノ 胡椒と香辛料 茶 織物 第八章 東インド会社の変質 フランス東インド会社の挑戦 商事会社から政治権力へ 「海の帝国」から「海と陸の帝国」へ オランダ東インド会社の変質 第九章 東インド会社の終焉とアジアの海の変容 イギリス東インド会社の苦境 フランスとオランダ東インド会社の解散 アジアの海の変容 おわりに 参考文献 年表 主要人物略伝 索引
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