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『碧巌録』を読む
/岩波現代文庫
末木文美士
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出版社:岩波書店 |
出版年:2018年08月 |
コード: 288p ISBN/ISSN 9784006003876 |
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『碧巌録』とは、北宋初期の雪竇重顕が古則百則に対して頒をつけた公案集に、北宋晩期の圜悟克勤が垂示・著語・評唱を加えた禅の教本である。「宗門第一の書」と称され、日本の禅に多大な影響をあたえた禅教本の最高峰を、言語による言語の解体行為という視点から読み解く。「文字禅」の世界の魅力を伝える入門書。
目次: 第一講 禅の根本問題 1 『碧巌録』というテキスト 『碧巌録』とは/岩波文庫新版の意義/各則の構成 2 達磨、武帝をやりこめる(第一則) 垂示/本則/頌/著語/評唱 3 「無」の世界 趙州の「無」/「無」の変質/禅の言葉
第二講 禅の言語論 1 言語における意味の剝奪 記号論からの接近/二元論の解体 2 趙州の最高の道(第二則) 垂示/本則/著語/頌 3 言語をめぐる問答 「至道無難」の展開(第五七、五八、五九則)/咽喉と口とをふさいでどう言うか(第七〇、七一、七二則)/維摩の一黙(第八四則) 4 道元の言語論
第三講 禅の存在論 1 言語と存在 言語論から存在論へ/鈴木大拙説の検討/上田閑照説の検討/井筒俊彦説の検討 2 露呈する世界 展覧会場の便器/庭前の柏樹/秋風の中、まる裸(第二七則)/麻三斤(第一二則)/私とは誰か(第七則) 3 馬大師の病気(第三則) 垂示/本則/著語/評唱/頌 4 解体する世界と「私」 世界の終末(第二九則)/寒暑なきところ(第四三則)/坐禅はどう位置づけられるか
第四講 禅の人間論 1 禅における主体と自由 私こそ仏だ/無位の真人/大雄峰に坐る(第二六則)/俱胝が指を立てる(第一九則) 2 禅における他者 他者はいかにして成り立つか/卵がうまく孵るには(第一六則) 3 潙山と徳山の果たし合い(第四則) 垂示/本則・著語/頌 4 対他性と倫理 南泉、猫を斬る(第六三、六四則)/殺生は許されるか――道元の批判/結び 5 質疑応答 禅の言葉/二元論は超えられるか/倫理の問題/禅語録の読み方
補講 改めて『碧巌録』を読む 研究状況の進展/圜悟と公案の言葉/雪竇と趙州――禅の言葉の取り上げ方/『碧巌録』と死者の問題――田辺元による第五五則解釈
付録 1 『碧巌録』全一〇〇則標題・登場人物一覧 2 現代語訳で読める禅語録
あとがき 岩波現代文庫版あとがき
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