ローマ帝国と西アジア 前3~7世紀
/岩波講座 世界歴史 第3巻
上製
大黒俊二,林佳世子 責任編集/南川高志 編集協力
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出版社:岩波書店 |
出版年:2021年12月 |
コード: 308p ISBN/ISSN 9784000114134 |
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ローマ帝国を古典古代/地中海世界の視角から解き放ち、西アジアとの関係を重視して帝国の実像を描く。
ローマ帝国を「古典古代」「地中海世界」の視角から解き放ち、西アジアとの共時性やつながりを重視しつつ「帝国」としての実像を探究。 両地域の双方向的な政治史はもちろん、都市や生活のあり方、被支配者やマイノリティの主体性、文化・世界観の多彩で選択的な「翻訳」、ユーラシア規模での経済活動の実態など、最新の知見で活写する。
編集委員:荒川正晴,大黒俊二,小川幸司,木畑洋一,冨谷至,中野聡,永原陽子,林佳世子,弘末雅士,安村直己
目次:
展望 Perspective ローマ帝国と西アジア――帝国ローマの盛衰と西アジア大国家の躍動┄┄┄┄┄南川高志 一、ローマ帝国と西アジアの歴史 二、ローマ帝国の形成と西アジア 三、ローマ皇帝政治の成立 四、帝政期のローマ帝国と周辺地域 五、皇帝政治の進展 六、帝国最盛期のローマ社会 七、ローマ帝国の変容 八、ローマ帝国の衰退と西アジアの激動 九、ローマ帝国の記憶と表象
問題群 Inquiry ローマ帝国の支配とギリシア人の世界┄┄┄┄┄藤井 崇 一、ローマ帝国を東からみる 二、ローマ帝国に貢献する 三、ローマ帝国を理解する
ローマ帝国と対峙した西アジア国家――アルシャク朝パルティアとサーサーン朝┄┄┄┄┄三津間康幸 一、「前史」としてのセレウコス朝時代 二、アルシャク朝パルティアの勃興 三、アルシャク朝パルティアとローマの抗争 四、バビロニア天文学・占星術の西方への伝播 五、アルシャク朝パルティアの滅亡、サーサーン朝の興隆 六、マニ教・ゾロアスター教・キリスト教 七、古代の最終戦争とサーサーン朝の滅亡、イスラームの到来
古代世界の経済とローマ帝国の役割┄┄┄┄┄池口 守 はじめに 一、古代経済史論争 二、生産活動と流通 三、帝国内の物資の輸送 四、交易の拡大 おわりに
焦点 Focus 西アジアの古代都市┄┄┄┄┄春田晴郎 一、都市を基礎とする地域としない地域 二、ハカーマニシュ朝ペルシアの都市 三、ヘレニズム・アルシャク朝時代の都市とその変容 四、サーサーン朝ペルシア時代の都市 五、小結
ローマ帝国社会における女性と性差┄┄┄┄┄ 髙橋亮介 はじめに――「祖国の母」リウィア 一、地方都市における女性の公的活動 二、属州エジプトのパピルス文書からみる女性 おわりに
ローマ帝国時代の文化交流┄┄┄┄┄田中 創 一、地中海の蠱惑 二、ラテン文化の東漸 三、言語と宗教の壁を超えて
「古代末期」の世界観┄┄┄┄┄南雲泰輔 一、「古代末期」と「世界」の表象 二、「世界」を把握する 三、「世界」を描き出す
内なる他者としてのキリスト教徒┄┄┄┄┄大谷 哲 はじめに 一、いつからローマ人はキリスト教徒を認識したか 二、ローマ人はどんなときにキリスト教徒を意識したのか 三、意識されない隣人、意識される他者としてのキリスト教徒 おわりに
三世紀の危機とシルクロード交易の盛衰┄┄┄┄┄井上文則 一、三世紀の危機論争 二、「三世紀」の実像 三、三世紀のユーラシア世界 四、ローマ帝国のシルクロード交易の盛衰 五、シルクロード交易衰退のローマ帝国への影響 六、関税収入減少への対応とローマ帝国の衰亡
コラム Column 考古学の存在感とリアリティ┄┄┄┄┄冨井 眞 史料としてのラテン語碑文┄┄┄┄┄中川亜希 ナバテア王国の興亡とローマ帝国┄┄┄┄┄桑山由文 ローマ法の後世への影響┄┄┄┄┄佐々木健 忘れられた西部ユーラシアの歴史像――鈴木成高と宮崎市定┄┄┄┄┄井上文則
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