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本書は台北故宮博物院で開催された展覧会「妙色:清代金銀飾件特展」の図録。 「衣」は人間が生活を営むうえで欠かせない基本的な要素のひとつである。その衣服の上に金・銀・宝石などの装飾を添えるのは、単に美しさを増すためだけではなく、豊かな富・崇高な地位・幸福への祈願といった、人生の抽象的な価値を表現するためでもあった。 そのため、本展の主軸は金銀装飾の華やかさを鑑賞するだけでなく、装飾がもつ語彙的な要素に注目し、装身具を物質文化と社会的背景の中で理解することにある。そこにこそ「妙色」の意味がある。 展覧では、故宮が所蔵する清代の簪飾・首飾・腰飾などを中心に精選して紹介する。まず、簪飾のスタイルや組み合わせ方を分析し、清代を通じた美意識の変遷を示す。次に、公式の礼儀に用いられた装飾や、生活の中の礼俗に関わる金銀装飾の姿を展示する。最後に、観覧者の視点に立ち、装飾品の制作・流通を支えた社会環境を語り、現代の生活経験と結びつける。また、舞台上の点翠装飾を通して古代の装身具の風采を再現し、物質的な外観がもつ能動性と多様な内包を浮かび上がらせる。
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