中国の誕生 東アジアの近代外交と国家形成
上製
岡本隆司
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出版社:名古屋大学出版会 |
出版年:2017年01月 |
コード: 564p ISBN/ISSN 9784815808600 |
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東アジア在来秩序を揺るがした明治日本の登場から、琉球、ヴェトナム、朝鮮、チベット、モンゴルへと続く属国・藩部の危機と再編を通して、現代中国の原型が浮かび上がる過程を詳述、万国公法などの翻訳概念の変容を手がかりに、誰も描きえなかった「中国」誕生の全体像に迫った渾身作。
目次: 緒論
〔第I部 危機の時代へ〕 第1章 清朝の対外秩序とその変遷——會典の考察を中心に はじめに 1 『康煕會典』 2 『雍正會典』 3 乾隆以降の転換 4 『一統志』と會典 5 清末・民国へ 第2章 明治日本の登場——日清修好条規から「琉球処分」へ はじめに 1 日清修好条規 2 台湾事件 3 台湾出兵と日清交渉 4 台湾出兵の波及 5 「琉球処分」 6 むすび 第3章 新疆問題とその影響——「海防」論と「屬國」と「保護」 はじめに——1870年代の新疆と海防論・塞防論 1 海防論とは何か 2 イギリスの調停と郭嵩燾の交渉 3 琉球・朝鮮へ むすび——1880年代以降の「保護」
〔第II部 属国と保護のあいだ——「越南問題」〕 第4章 ヴェトナムをめぐる清仏交渉とその変容——1880年代初頭を中心に はじめに 1 曾紀澤の交渉 2 北京交渉 3 天津交渉 4 ブーレの解任 5 ブーレからトリクーへ 6 曾紀澤の再交渉 おわりに 第5章 清仏戦争への道——李・フルニエ協定の成立と和平の挫折 1 前提 2 交渉の端緒 3 天津交渉 4 結末 第6章 清仏戦争の終結——天津条約の締結過程 1 清仏戦争と和平の前提 2 条約交渉の開始 3 対立と妥協——「往來」問題 4 問題の再燃と条約の締結 まとめと展望
〔第III部 自主から独立へ——「朝鮮問題」〕 第7章 「朝鮮中立化構想」と属国自主 はじめに 1 「朝鮮中立化構想」への道 2 「朝鮮政略意見案」の成立 3 「意見案」の位置 4 「意見案」の運命 5 「朝鮮中立化構想」の挫折 おわりに 第8章 自主と国際法——『清韓論』の研究 はじめに 1 『清韓論』への道 2 『清韓論』の版本 3 『清韓論』の評価 おわりに 第9章 属国と儀礼——『使韓紀略』の研究 はじめに 1 『使韓紀略』 2 弔使と朝鮮 3 弔使と西洋 むすびにかえて 第10章 韓国の独立と清朝——「自主」と「藩屬」 はじめに 1 甲午改革から俄館播遷へ 2 大韓帝国の成立と清朝 3 清韓の条約締結 4 1900年の転換
〔第IV部 「領土主権」の成立と「藩部」の運命〕 第11章 「領土」概念の形成 はじめに 1 「藩屬」と「屬地」 2 「属地」概念と曾紀澤 3 「屬地」の定着 4 「領土」概念の起源 5 「領土」の確立 おわりに 第12章 「主権」の生成——チベットをめぐる中英交渉と「宗主権」概念 はじめに 1 露中宣言とシムラ会議 2 「宗主権」と「主権」 3 「主権」の起源 むすびにかえて——「主権」と「領土」 第13章 「主権」と「宗主権」——モンゴルの「独立」をめぐって はじめに 1 露蒙協定——「自立」か「自治」か 2 露中宣言交渉——「宗主権」か「主権」か 3 キャフタ会議 むすびにかえて——「外蒙撤治」
結論
註 あとがき 文献目録 索引
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