記憶と印象 胡同の回想
上製
史鉄生/栗山千香子 訳
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出版社:平凡社 |
出版年:2013年09月 |
コード: 284p ISBN/ISSN 9784582836103 |
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1950~60年代に北京の胡同で生まれ育った車椅子の哲人が、記憶に残る家族や知友、場所をあざやかに回想し、ひろびろとした言葉づかいで織りあげた無類の書。失われた胡同の情景と時間が、もの静かだがよくとおるユニークな声で、今よみがえる――。
著者・史鉄生は著名な中国の作家であるが、自身は“職業是生病,業余在写作(職業は病気、余暇にものを書いている)”と称していた。そう本人が言うように、史鉄生の人生は病気とともにあったと言えるかもしれない。史鉄生は若くして脊髄多発性硬化症という難病に冒され、1年半入院治療するものの病状は回復せず、生涯車椅子の生活となった。1970年代末、仕事の傍ら執筆を開始し、後に腎臓を患ってからは創作活動に専念する。1998年には尿毒症と診断され、週3回の人工透析を余儀なくされながら執筆を続けるが、2010年、脳出血のために59歳でこの世を去った。こうした背景もあってか、史鉄生文学には「抑えた筆致の中に凝縮された抒情性と、生命に対する深い観察および思索」があり、「哲学性を帯びながらも豊かな情感に包まれている」と訳者・栗山千香子氏は言う。本書は、史鉄生がその人生に深く関わった人と場所についての記憶と印象を綴ったエッセイ集であり、自身を「いままさにそっと去りつつある」「一歩ずつこの世界に別れを告げつつある」存在として、生命の不可思議さを想う「“そっと去る”と“そっと来る”」を含む全21編からなる。
>>> 原書 『記憶与印象』(杭州出版社刊)
[関連書籍] *2013年10月現在 >>> 史鉄生作品/史鉄生作品評論 (中国語) >>> 史鉄生作品/史鉄生作品評論 (日本語)
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