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魯迅と紹興酒 お酒で読み解く現代中国文化史 /東方選書50
藤井省三
出版社:東方書店
出版年:2018年10月
コード:00856   286p   ISBN/ISSN 9784497218193
 
価格 2,200円
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1979年の上海ビールの味、映画に見る北京の地酒、魯迅が描く紹興酒の風景、台湾文学に登場する清酒白鹿、“公宴”“私宴”風景の変貌……文学研究という立場から中国の変化を見続けてきた著者が、酒をキーワードに、文学や映画、時には自身の体験を交えながら、改革・開放経済体制以後40年の中国語圏文化の変遷を語る。本書は、『NHKラジオ中国語講座』テキスト(2003~2004年)の連載「中国酒で味わう現代文化」を加筆修正し再構成。著者が見た中国におけるここ十年の酒宴の変貌についても新たに書き加えた。

目次:
Ⅰ 北京篇
  はじめに
  1 北京のビールは茶碗で飲み、香港映画は北京で観るべし
    北京の交通渋滞と国産映画の衰退/ご飯茶碗で飲むビール/北京で観る香港版『Shall we ダンス?』
  2 北京の二鍋頭
    北京大学の北京文化シンポジウム/映画『青い凧』の中の北京の地酒/二鍋頭の歴史/北京酒文化のために
  3 中国白酒文化を守れ!
    図書館のスプーンで飲む二鍋頭/延安行きの寝台車にて/偽物さえも出てくる偉大な酒/二鍋頭は酎ハイで
  4 故宮を見下ろして飲む北京ワイン
    準地酒としての長城ワイン・王朝ワイン/地酒だったドラゴンシール/貴賓楼の屋上バーで
  5 市場経済から“反腐敗運動”へ、中国式宴席の発展
    九〇年代“単位”社会の崩壊と“私宴”風景の変貌/二〇一三年の反腐敗運動と“公宴”風景の激変/政府お抱え学会の円卓晩餐会/“上有政策、下有対策”の現代“公宴”
  6 キャンパスの“居酒屋”と小説「私宴」
    大学の市場経済化と学費寮費無料制度の廃止/人民大学の“書生屋”という飲み屋/恐怖のアルハラを描く小説

Ⅱ 上海篇
  はじめに
  1 ビールの都、上海
    魯迅をめぐる考証とビールをめぐる新聞広告/一九一九年ビールの国際政治学/国際都市上海におけるビールの運命
  2 一九七九年上海ビールのおつまみ
    「南京路を歩こう」から「淮海路を歩こう」へ/一九七〇年代――デンマーク留学生の“奇術”/「古き悪しき」七〇年代との再会
  3 上海パラマウント伝説
    上海租界の「冒険家たちの楽園」/社会主義中国におけるダンスホールの命運/悪所の記憶としての百楽門
  4 烏魯木斉路の文化探検
    烏魯木斉路の民工食堂/S賓館前の靴屋/八〇年代上海のカンパリソーダ
  5 淮海中路の文化探検
    華亭伊勢丹一帯の九〇年代風景/二一世紀風景の大上海時代広場と芥川龍之介の新天地来訪/上海の「白領階級」と『少林サッカー』

Ⅲ 地方篇
  はじめに
  1 魯迅による紹興酒の飲み方
    短編小説「酒楼にて」/魯迅の国民革命への違和感/紹興酒一升四合を飲みながら
  2 魯迅と紹興酒
    貧乏読書人と魯鎮の飲み屋/窃書は盗みにあらず/魯迅の飲みっぷり
  3 中国的宴会の極北――莫言の『酒国』
    大江健三郎のノーベル文学賞記念講演/『酒国』酒宴の一場/愛飲家大江健三郎は語る
  4 莫言故郷の銘酒と小説「白い犬とブランコ」
    高密県高級幹部による招宴/銘酒「商羊特醸」/「白い犬とブランコ」とその映画化
  5 チベットのピクニック
    チベットと中国/ラサの公園で飲んだ青稞酒/ハリウッド映画の中国批判

Ⅳ 香港・台湾篇
  はじめに
  1 香港・湾仔のスージー・ウォンバーと新界の大栄華酒楼
    湾仔バー街の「スージー・ウォンの店」/森瑤子『浅水湾の月』が描く混血香港娼婦/新界酒楼大パーティーのFoodscapeと政治学
  2 香港のバー街・蘭桂坊の物語
    「飲食天堂」とはいうけれど/中国返還前最後の旧正月/蘭桂坊という街/小説と映画の中の蘭桂坊
  3 東京の香港グルメ詩人
    香港の「出前一丁」と「絹靴下のミルクティー」/お茶漬けが大好きな「香港のベンヤミン」/寿司と天ぷらで詠む男女の運命
  4 台北にバーが流行る理由
    台湾酒の名誉回復/台北のバー文化/地下鉄開通を待ちながらカクテルを
  5 台湾文学の中の清酒
    辻原登と台湾文学/『夫殺し』の中の清酒白鹿/台湾と日本酒

Ⅴ 世界篇
  はじめに
  1 ニューヨーク・チャイナタウンの紹興酒
    アメリカの恋人/中国料理、東回りの法則/イラク戦争銃後のニューヨーク再訪
  2 プラハ地下バーの現代中国詩
    欧米の中国現代文学研究事始め/スロバキアでのエミグラント文学論/プラハの亡命中国詩人
  3 シンガポールで一番旨い酒
    新「両岸四地」/一九七五年のシンガポール/二〇〇二年の現代中国文学国際学会/レセプションでは酒も飲まずにカラオケを
  4 ソウルの新興チャイナタウンで飲む東北白酒
    L教授のキス、あるいはソウルの若い中国文学/消えたチャイナタウン/朝鮮族がつくるニュー・チャイナタウン

あとがき
参考文献

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■編著者紹介
藤井省三(ふじい・しょうぞう) 1952年東京生まれ。東京大学大学院博士課程修了。文学博士。桜美林大学文学部助教授を経て、東大文学部助教授、同教授。現在、東大名誉教授、南京大学文学院海外人文資深教授。専攻は現代中国語圏の文学と映画。主著に『魯迅と日本文学――漱石・鷗外から清張・春樹まで』、『村上春樹のなかの中国』など、訳書に魯迅短篇集『故郷/阿Q正伝』、莫言『酒国』、李昻『自伝の小説』など。
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