アルグン川の右岸
/エクス・リブリス
上製
遅子建/竹内良雄,土屋肇枝 訳
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出版社:白水社 |
出版年:2014年04月 |
コード: 368p ISBN/ISSN 9784560090336 |
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エヴェンキ族最後の酋長の妻、90歳の「私」は、仲間が定住地に移住していくのを見ながら、森の中で最後までトナカイと一緒に残ることを決意して、これまでの人生を語り始める。もともと民族はバイカル湖周辺に住んでいたが、ロシア軍が侵攻してきたため、アルグン川の右岸に渡る。そこは当時、清国だったが、やがて中華民国となる。そして日本軍の対ソ連前線基地となり、男たちは軍事訓練を受けるが、日本軍は敗退していく。やがて中華人民共和国の内モンゴル自治区に変わり、社会主義体制のもと、政府は医療の改善と教育の充実、また動物保護を名目にして定住生活を推し進める。だが彼らのトナカイとの共存共栄の生活が理解されず、狩猟民としての生活が破壊されていく。都市での定住生活に適合もできず、将来を見出せない狩猟エヴェンキ族。民族は徐々に衰亡し、やがて絶滅してしまうのではないか、と危惧する…。
【中国語原書】 额尔古纳河右岸 /迟子建长篇小说系列 迟子建 人民文学出版社 2014年01月
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■編著者紹介
遅 子建 (チー ズジェン) 1964年生まれ。大興安嶺師範専科学校中文系に入学し、在学中から作品を書き始め、卒業後、教師となる。その間に「北極対童話」を書き上げ数年後に発表し、実質的なデビュー作となる。87年、教師を辞めて、ハルビンの文芸誌『北方文学』の編集部勤務を経て、やがて専業作家になる。97年、「霧の月」(原題「霧月牛欄」)で第一回魯迅文学賞の短編小説賞を受賞。2001年、「年越し風呂」(原題「清水洗塵」)で第二回魯迅文学賞の短編小説賞を受賞。
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