中国における「近代知」の生成
/学習院大学東洋文化研究叢書
上製
高柳信夫 編著
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出版社:東方書店 |
出版年:2007年12月 |
コード:00663 384p ISBN/ISSN 9784497207159 |
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近代という社会的変革期にあたり、西洋との接触を通じて、中国の知識人は「中国」をいかなる存在として捉え直していったのか。主に思想・歴史・文学などに関する彼らの言説を材料として解明する。 ●編著者のことば ――近代中国思想史の分野に関していえば、近年、様々な新たな方法論を応用した研究や、個別の「事実」の発見を主とした論文は多く見られるが、個々のテキストを読み込んでゆくという基本的な研究は思いのほか少なく、その意味では、未開拓の領域は、いまなお予想外に大きいと思われる。そこで、本プロジェクトにおいては、あえて方法論上の目新しさを追わず、基本的な思想史研究の手法を用いて、こうした未開拓の領域を埋めてゆくことができればとの思いがある。(「はじめに」より)
●構成 はじめに(高柳信夫) 美学にとって「中国とは何か」――朱光潜の中国的モダニズム (中島隆博) 反響しあう東と西――辜鴻銘による『中庸』の英訳(廣瀬玲子) 異物感覚と歴史――和辻哲郎と胡適の仏教研究(宮川敬之) 『地球韻語』について――清末の地理認識とその表現(大澤顕浩) 近現代中国における考古学の命運――歴史とめぐる「伝統」と「近代」(竹元規人) 梁啓超の「孔子」像とその意味(高柳信夫) 宋平子新字の位置づけをめぐって――江南知識人の日本趣味について(蝦名良亮) 啓蒙知識人としての趙正平――南方への志向と辛亥革命の精神(吉川次郎) 中国近代における知の編制と諸権力――張君勱(1887~1969)と国立自治学院を例として(原正人)
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■編著者紹介
1963年生。学習院大学外国語教育研究センター教授。論著に「「中国学術史」における仏教の位置――梁啓超の場合」(『言語・文化・社会』5号、2007)、「現代思想としての「陽明学」―― 梁啓超の「陽明学」観についての考察」(奥崎裕司編著『明清はいかなる時代であったか』、汲古書院、2006)、梁啓超「余之死生観」をめぐる一考察(『言語・文化・社会』3号、2005)ほか。
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