|
日本ビジネス中国語学会 第16 回公開公演・シンポジウム |
2004/6/26 |
||||||||
|
OA機材活用による
|
|
||||||||
|
日本ビジネス中国語学会会長 |
|
||||||||
|
藤本 恒 |
|
||||||||
|
ビジネスプレゼン手法を使った中国語授業と教材 工欲善其事必先利其器 半世紀前の語学学習環境私が神戸市外国語大学の前身『神戸市外事専門学校』中国語科を卒業したのは1951年であった。語学の学習はもっぱら教科書・辞書・教室での講義と反復演習・暗記であった。 オープンリール方式のテレコ卒業後数年した1955年前後であったと思うが、母校神戸市外国語大学にLL教室ができた。テープレコーダーを使って模範的発音を何度でも繰り返して聞ける夢のような外国語学習方式が提案された。(当時は、夜遅く短波ラジオで北京放送を聞くのが本場の模範的中国語と接触する唯一の手段であった) 何故それ程まで道具にこだわる飢餓感を持ったことのある人間の反動とでもいえるだろう、今の平和な物のあふれている時代の若者には想像もつかないことだろうが、戦時中に勤労動員を強いられて勉強したくても出来なかった経験を持つ私にとって、復学できたことが既に大きな喜びであったし、テープレコーダやトランジスタラジオ、テレビが現れた時や、井上翠先生の書かれた中国語新辞典しかなかった時代から多くの出版社が発行する新しい辞書や学習書が手に入るようになった時、これを手に入れることが私にとって自分の中国語学習に対する飢餓感を癒す何よりもの薬であった。 コピー機や計算機そしてPCの出現その後、企業人になった私の前に新しい事務用品としてPCや現在普及している乾式の普通紙用コピー機が現われたのは、確か1970年代の後半期であったと記憶している。当初コピー機はカーボン紙で複写したり、謄写版で印刷していた企業内印刷の手間労力を大幅に軽減し事務の効率化に役立った。PCも電子計算機の名の通り、当初は計算から始まったが、中国語でいう「電脳」の名の通り、単純な計算機器から各種の機能を備え進化してきている。今では、パソコンは現代人が自動車の運転をするのと同様に、誰でも使えるようになってきている。(事務所のインフラであり、現代人必須の道具でもある)私への刺激は秘書がいなくなって、電話も自分でかけなければならなくなったこと、自分の書類は当然自分で保管し探さなければならなくなったこと、コピーもパソコンもそのうちに自分で操作しなければならなくなるだろうという恐怖感からでもあった。 OAの光と影 ⇒ 危機管理をどうするか文明の利器を使うと効率は上がる。でも使えなかったら??故障したら??この場合、巨大な落差が発生する……。ちょうど、事故で通勤電車がとまったり、普段通っている道路が通行止めになったり、家庭で使っているガスや電気・水道が使えなくなるのと同じであり、近代社会で当然備わっているべきインフラが整備されていない環境に身を置くなど、突然の環境変化にも対処可能な方法を考えておく必要がある。私の場合、このことは日本ではそれ程切実に感じなかったが、60年代初頭から中国への出張で、現地ホテルのエレベータが動かなかったり、タクシーがこない、電話を掛けようとしてもつながらないなどの体験で感得させられたものである。 語学学習と教育の場での応用現在OA機器は学校教育の場でも盛んに用いられるようになってきた。(教員も学生も⇒私が講師をしている某大学の場合、学生は入学と同時にノートパソコンが支給されている。)中国語の学習と教育の分野でもこれらOA機器が普及している。OA機材を利用する色々な教材も市販されている。それは主として旧来の紙媒体(=書籍)+電子媒体で、音声・映像がテープやCDになって提供されるようになった。ここではこれらに、少し手を加えて複合的に活用することを提案したい。(CCTV等の録画画像とインターネットの活用を含めれば効果はさらに向上する) “抛磚引玉”を期待して今日は、現在私が試している学習方法をご披露した上で、参加者の皆さんからご意見を伺い、さらに効果的な活用につなげて頂きたいと考えている。但し、留意したいのは「知的所有権」の問題である。安易な流用やコピーが社会問題になっている。自己学習に役立てること、教育の場でも節度ある活用の範囲を超えてはならないことは言うまでも無い。 ビジネスプレゼンテーションの手法(西施の顰に倣う)①商品説明・企画の紹介・研究報告……企業社会ではプレゼンテーションソフト(演示軟件)による、取引先への訴求手法が盛んに行われている。語学学習者に対する訴求にもこの手法を用いてはどうかと考えた。 ②また単機能商品に別の機能を加えたり、複合多機能商品が高付加価値や高付加効果を生んでいる。レトルト食品に少し手を加えることにより、大量生産された画一風味を自分の好みのお味に変えたり、栄養価を高めることができる。漢方薬でも民間の「単方」を製薬会社が「複方」にした薬効の高い薬が重宝されている。既存教材に少しだけ手を加えることにより、学習者に喜ばれ反復練習にも飽きのこない一味違った授業ができる。 ③教材作成用使用器具は語学学習用の所謂三種の「神器」即ち下記であり:
そして、これらの統合や加工にはパソコン+上記各素材の加工用ソフト(主としてパワーポイント)を使うことになる。 自作教材活用の現状と将来展開への期待①作成した教材は、パワーポイントを使っているのでプロジェクターを使うのが最適だが、その為に特別教室を使ったり準備に時間がかかったりするのでは効果が期待できない。手軽な方法として現在学校の各教室には大体TVが常備されている。将来各教室にプロジェクターが設置されるまでの中間的手段として教室のTVを使う。手間は自分のノートパソコンとTVをつなぐだけである。プロジェクター用のスクリーンを準備する必要は無い。 ②ビデオの動画を教材に利用する場合は、もし元の媒体がテープの場合は、是非DVDにダビング複製して活用したい。編集しておけば好きな場所で頭だしできるし、適宜一時停止させてもテープと違い画像は乱れない。PCによる文字情報と併用して、見て聞き理解する為の上級クラスの教材にも大いに活用できる。
反復練習にも飽きない教材作成 学習による実力作りは理解した上で応用し活用できることであるが、理解と応用活用が一挙に身につくことは神業でしかない。普通の人なら何度も繰り返して練習し・試行錯誤のうちに身につくものだと思う。従来から企業では一年間で経験することを三回繰り返して経験し三年目に一人前になるというのが普通で、この一人前になった社員がもう三回、即ち約10年業務を経験してベテラン社員、10年選手と言われるようになる。 こんな考え方をもとにひまに任せて作ったもの、未完成で試しているもの、お手軽加工教材の中の一部を見ていただきながら、私の考える反復演習と飽きのこない授業が実際にやれるかどうか、上述の効果をあげることができるかどうかを検討して頂きたい。パソコンでは簡単にコピーして幾通りもに加工し形を変えることができる。作るのに楽しく、講義するにも、学ぶにも変化が満喫できる。(自画自賛と蛇足??) 功欲善其事、必先利其器まず、私の自宅の庭に立てたパラボラアンテナと書斎を見て頂く(アンテナは95年退職時設置、以後増設、現在五基、中国の中央電視台各チャネルは勿論、地方省市の番組も受像可能)。添付はデジカメで撮った写真を今回用に、プレゼンテーションソフトに移し込み、説明を加えただけのものです。一種の電子アルバムです。 【学習用の教材例】※ 講演時に使用されたパワーポイントのスライド(下記①③④の教材例を含む)をご覧になりたい方は、こちらからダウンロードできます(圧縮ファイル)。 → data16_1.zip(239KB) 以下幾つかの例示です、この報告文では、アニメ効果や音声が出ないのが残念です。 ① ② ●発音練習用 右端枠のT&CはDVDのTitleとChapterを示す。(もと画像はビデオ) ●CCTVの天気予報⇒聞き取り練習 アナウンサーの話すスピードに圧倒されます。 ●温家宝国務院総理の記者会見実況⇒聞き取り練習用/CCTVの録画と人民網より ③ ④ ⑤ |
|
||||||||
|
以上
|
|
||||||||
|
||||||||||
|
|
|
||||||||
|
|