中国伝統芸能の俳優教育 陝西省演劇学校のエスノグラフィー
上製
清水拓野
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出版社:風響社 |
出版年:2021年03月 |
コード: 348p ISBN/ISSN 9784894892941 |
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徒弟制からの転換、芸能教育の学校化とは 京劇の形成にも関わった地方劇の一つ「秦腔」。本書は、その教授・学習の現場から芸能と教育の関係を捉え直す試み。文学・音楽・舞踊・雑技・美術などの表現手段を融合した総合芸術の成り立ちを、俳優すなわち人間の教育という側面から分析した画期的な論考。(第1回東京大学而立賞受賞)
目次: まえがき
序論 秦腔と芸能教育の学校化 一 はじめに 二 本書の問題関心 三 従来の芸能研究の視点 四 本書のめざすもの 五 本書の構成
第一章 陝西省西安市と秦腔 一 調査地について 二 秦腔とは 三 秦腔の芸能的特徴 四 秦腔と民俗文化 五 秦腔の現状
第二章 俳優教育の歩みと調査の概要 一 秦腔の俳優教育の歴史的背景 二 新中国の演劇学校に関する研究 三 調査の概要
第三章 稽古現場からみた俳優教育 一 芸の教授・学習過程への視点 二 演劇学校について 三 俳優教育の特徴 四 稽古現場の概要――ある日の稽古 五 身体構築過程としての稽古――段階的な身体作り 六 教育目標としての“個性” ――芝居の稽古の基本目標 七 教育方法としての口伝――その重要性と位置づけ 八 学習資源としての「銅鑼・太鼓」言語――稽古に介在する言語実践 九 稽古現場における師弟関係――芝居の教師の特徴 まとめ
第四章 組織的文脈における俳優教育 一 徒弟教育とは 二 演劇学校の組織構造 三 入学の過程――人材選別の始まり 四 役柄選別と役柄別修業――役柄が決まる仕組み 五 身体条件や能力に応じた教育的配慮(因材施教) 六 定期試験――その三つの側面 七 教授法の変容――芸能教育の近代化の一側面 八 卒業の過程――プロの役者への道 まとめ
第五章 芸能教育の学校化を考察する 一 学校化とは 二 芸能教育の学校化とは――秦腔の事例からみえるもの 三 秦腔の俳優教育の今後――芸能教育の学校化の行く末 四 学校化のもたらす問題――教育効果をめぐる複数の解釈 五 秦腔の俳優教育のその後 六 学校化の比較考察 まとめ
結論
あとがき 参考文献 演劇関連用語の解説 索引
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