惑郷の人
/台湾文学セレクション4
郭強生/西村正男 訳
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出版社:あるむ |
出版年:2018年11月 |
コード: 336p ISBN/ISSN 9784863331471 |
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未完の日台合作映画に魅入られた少年たちの流転の軌跡 その年、李香蘭が台湾公演に来た。その年、日本は戦争に負けた。 その年、ブルース・リーがこの世を去った。その年、日本は経済大国になった。 その年、彼らはみな17歳だった。 1973年、台湾東部の吉祥鎮に日本から映画のロケ隊がやってきた。撮影のために吉祥戯院の付近がまるで日本統治時代のように姿をかえると、時空のねじれと記憶の逆流が住民の生活リズムに変化をもたらしはじめる。そんななか映画館の看板書きの息子・小羅が生徒役に抜擢されて、幼なじみであるフィルムの運搬屋・阿昌、アイス屋の養女・蘭子、3人の関係がゆらぎはじめる。 2007年、台北にアメリカからアジア映画研究者・健二がおとずれる。戦後台湾映画と日本映画の関係をテーマとする健二の台湾訪問には、もう一つの目的があった…… 中国東北地方出身の父と原住民の母をもつ小羅、日系二世の研究者・健二、湾生(台湾生まれの日本人)の映画監督・松尾、そして霊魂となってさまよう台湾人日本兵・敏郎。 映画『多情多恨』に導かれるように、70年の時空を往来して少年たちのもつれた記憶が解き明かされる。 周縁の人生を幽明のあわいに描いた長篇小説。
原題:『惑郷之人』
◆台湾文学セレクション 重層的な共同体の記憶のなかに多様なアイデンティティを受容する台湾から、世界にひらかれた現代文学作品を紹介するシリーズ。
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