目録学の誕生 劉向が生んだ書物文化
/京大人文研東方学叢書6
上製
古勝隆一
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出版社:臨川書店 |
出版年:2019年02月 |
コード: 270p ISBN/ISSN 9784653043768 |
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人にとって書物とは何か。なぜ、書物は必要なのか。
書物をぬきにして中国文化を語ることはできない。その書物は、どのように書かれ、整理され、系統立てられ、そして伝承されてきたのだろうか。前漢にはじまる皇室の図書事業は、やがて独立した「書物の学問」=「目録学」に発展し、過去から未来へと学問をつなぐ知の集積がはじまっていく。目録学の始祖とされる劉向(りゅうきょう)は、何を考え、何を成し遂げたのか。原資料と先行研究を幅広く渉猟し、目録学の誕生史を描き出す。
目次: はじめに 序章 目録と目録学 第一節 校書と分類の関係 第二節 目録と書目 第三節 「校讐」の起源―校正の始まりについての一試論 第四節 中国学術の全体像を俯瞰する 第五節 「儒」の位置 □コラム 目録学と校讐学 第一章 劉向目録学のインパクト 第一節 二劉の学の大きさ 第二節 書目の背後にあるのは「学術」である 第三節 術をめぐって 第四節 官職と書物 第五節 『漢書』芸文志の序文を読む 第六節 「大序」は誰の文章か □コラム 書物と国家 第二章 目録学前史―戦国時代から前漢時代における学術と学派 第一節 諸子を批判する諸子 第二節 批判精神の発露―『荀子』非十二子篇 第三節 道術の衰え―『荘子』天下篇 第四節 学派内部の分裂をめぐって―『韓非子』顕学篇 第五節 司馬談の学術観 □コラム 荀子は子思と孟子を批判したのか 第三章 前漢時代の皇帝と学問 第一節 焚書のダメージ 第二節 漢初の学問好尚の変化 第三節 武帝と儒教 第四節 ポスト武帝時代から前漢末にいたる学問好尚 第五節 前漢における六芸の位置 第六節 漢室と神仙思想 第七節 前漢における図書蒐集の歴史 □コラム 芸をめぐって 第四章 劉向の家系と学問 第一節 『史記』楚元王世家と『漢書』楚元王伝 第二節 劉向の祖先、楚の元王 第三節 劉交の子孫たち 第四節 劉向の曽祖父・祖父・父 第五節 劉向の生涯 第六節 毀誉褒貶を生んだ劉歆の生き方 □コラム 劉安と劉向 第五章 『別録』と『七略』 第一節 『別録』と『七略』 第二節 『七略別録』とは何だろう 第三節 『別録』『七略』のその後 第四節 『別録』『七略』の輯本 第五節 姚振宗輯本の登場 第六節 『別録』『七略』に著録された書物 第七節 劉氏校書と『漢書』芸文志 □コラム 姚振宗とその著作 第六章 校書の様相 第一節 校書を担ったのは誰なのか 第二節 校書の記録―「荀子書録」を例として 第三節 校書の実態―『戦国策』の場合 第四節 序録に見える「中書」 第五節 校書はどこで行われたのか □コラム 天禄閣から飛び降りた楊雄 第七章 『七略』の六分類 第一節 なぜ「七」略なのに「六」文類なのか 第二節 『七略』の六分類 第三節 輯略について 第四節 六分類の体系性をめぐって □コラム 数術略なのか術数略なのか 第八章 ポスト劉向時代の目録学 第一節 劉向らの校書は無力だったのか 第二節 劉向らが校讐した本の運命 第三節 劉向らの校書結果の影響 第四節 四部分類の誕生 第五節 現代にも残るその影響力 □コラム 劉向的分類を乗り越えることの難しさ 第九章 劉向の学を広め深めた学者たち―鄭樵・章学誠・余嘉錫 第一節 鄭樵の学術観―理想の学術分類を目指して 第二節 章学誠の見た劉向―目録学の理念 第三節 余嘉錫の目録学―近代に劉向を伝える 第四節 目録学は本当に劉向が始めたのか □コラム 「言公」の読みづらさ 終章 書物はなぜ必要なのか 第一節 書物は聖人が遺した糟粕なのか 第二節 劉向の思い 第三節 書物肯定と否定のはざま 主要資料・参考文献一覧/あとがき/図版出典一覧/関連年表/索引
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