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「入れ墨」と漢字 古代中国の思想変貌と書
松宮貴之
出版社:雄山閣
出版年:2021年08月
コード:   206p   ISBN/ISSN 9784639027751
 
価格 2,640円
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入れ墨文様から文字へ
宗教儀礼や呪術としての入れ墨の、刑罰としての入れ墨への変化。そのような入れ墨の文様と甲骨文字の関係、甲骨文字から漢字への変遷。文様や文字の持つ意味が、人間の中でどのように変化していったのかを、墨家集団の成立からその思想の墨子への昇華を軸に、探求していく。

目次:
はじめに

第1章 文字論の宇宙
 発端―郭沫若による提起
 郭沫若、そして中国古代史
 郭沫若説の真偽
 「辛」と「墨」字
 白川静文身論
 殷墟に残された入れ墨関係文物
 唐蘭のエキセントリックな「黒」字説
 「黒」字の原義は何か
 甲骨文に於ける〓形―人身供犠と白川説の検証
 甲骨文中の黒・熯・暵・艱・奚の構造と用字に於ける関連性
 唐蘭説の批判と検証―文革後の着想を中心として
 金文に於ける墨刑 唐蘭説からの展開
 白川静の唐蘭への反論と止揚
 古代の黒とは
 殷代の〓形と供犠と殉葬 ※〓は甲骨文字の「黒」

第2章 古代中国とヨーロッパに於ける供犠、呪術としての刑罰の対照
 供犠の実態―郭説を端緒とする殷代墨刑説の展開
 古代中国に於ける刑罰とは
 祭祀儀式と処刑
 古代ヨーロッパの処刑との比較
 従来の墨刑解釈と入れ墨の本義
 人身供犠と「食」
 西洋、東洋の供犠の終焉と宗教
 墨刑の新解釈
 エリアーデと聖なる力の周期的再生

第3章 殷文化と少数民族に残る習俗
 首狩りと食人の人類学
 雲南青銅器
 木鼓と南
 苗族と奴隷論
 入れ墨他界パスポート
 文物と入れ墨
 漢字に残存する×字形の意味と祝禱
 「罰 伐 撥 抜」の単語家族を巡って

第4章 殉葬論
 殷墟の殉葬
 殷朝刑罰と人身供犠の確認と批判
 殉葬論の二系統
 供犠としての殉葬
 殉葬になぜ入れ墨か
 入れ墨と墨の観念の重なりと殉葬から殉文へ

第5章 書の民俗学
 冊祭―甲骨文の「冊」字と祭祀
 鬼火焚き
 甲馬子(ジャーマーツ)
 木主考
 喪服としての黒

第6章 思想の基底となる階層と宗教
 墨子の墨とは
 墨子とギルドの関係
 思想の源泉
 微子啓と宋
 節葬の核心
 人牲批判と非攻論
 人殉と宗教性
 奴隷制と非命篇
 殉葬の美学

第7章 墨子新原論と賞罰
 墨子に於ける殷代の習俗―赤塚説の継承と墨子と殷を繋ぐ発想の提起について
 賞罰論という基軸と天観への批判―墨子を中心とする諸子百家の基底をなす観念の胎動
 『墨子』に於ける苗族の存在意義
 『墨子』に於ける罰としての五刑観への夢想―墨子と殷代の名残
 思想習俗史と天志篇の存在
 罪の観念と明鬼篇
 「鬼神哭す」の意味
 時代を支配する思想と、集団独自の思想との変貌
 刑罰の本質と私有財産
 尚古主義とマルクス主義の陥穽を補う視角

第8章 兼愛論の源泉
 最古層の非攻と兼愛
 供犠とフィクションとしての殷の湯王伝説
 贖罪帝王学としての神話
 沈黙の宗教 墨教
 推移する観念

第9章 書の基底をなす宗教性
 入れ墨と文字
 金文に筆法なし
 古代文字と入れ墨の接点
 命金文と儀礼
 文字を埋葬する文化
 木簡による甲骨文の継承
 木簡冥土パスポート
 入れ墨刑の禁止と書論の発生
 木簡から墓誌銘へ
 唐時代の殉葬と王羲之
 蘭亭序考
 失われた時
 新顔真卿論―墨家思想との関連性 争坐位稿の文体
 祭姪稿の構造
 士大夫精神の淵源
 韓愈と『読墨子』
 書の基底をなすもの
 弔詞と書
 追善供養

あとがき
主要参考文献
図版出典
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