2000年度日本ビジネス中国語学会
第九回ビジネス中国語(商务汉语)
4級検定試験問題解答と解説

第1問
解答  A  問1②  問2④ 問3④  問4①  問5④
    B  問1②  問2③ 問3④  問4③  問5①
    C  問1④  問2② 問3①  問4②  問5④
解説
 4級検定で必ず出題される発音にかかわる問題。4級受験者は中国語発音の基礎を修了していることが原則である。つまり中国語の発音表記法である、ピンインをどれだけ正しく覚えているか、実際は一つ一つの単語をどれだけ正しく発音できるかを問う出題である。

 Aの出題は、例年日常使用度の高いおなじみの単語の正しい発音を、4つの紛らわしいピンインの中から、正解をひとつ選び出すものである。
Aの(1)については、とりわけ「提」の 声調 は第2声であることを思い起こしてほしい。よく耳にする間違いはこれを第3声に発音する人がいることである。
Aの(2)についても、「国」の 声調 を間違って第3声に発音する例が多い。因みに日本人にとって、第2 声の発音は、かなり注意して発音しなけれいけないかもしれない。
Aの(3)「努」は第3声である。「努力」は「第3声+第4声」で、この 声調の組み合わせも結構注意を要する。間違って、「第2声+軽声」に読む人のなんと多いことか。また間違って「第2声+第4声」に読んでしまうと「奴隷」という意味に受け取られる。
Aの(4)日常よく使う言葉であるから、迷わず(1)を選んでほしい。
Aの(5)「貨」の正しい発音は「huò」であって「hòu」ではない。これは実際発音したときにも、その違いをはっきりさせられるように日ごろから練習をしておいてほしい。

 Bの出題は、特に声調の組み合わせを問うもの。いずれも日常使用頻度の高い単語であるから、全てについて正しく発音できるようになっておいてほしい。
 Bの(1)の出題単語は「第1声+第4声」で、これは比較的発音しやすい声調の組み合わせである。
 Bの(2)の出題単語は「第2声+第2声」で、日本人にとってやや苦手な声調の組み合わせである。とりわけ後ろの「第2声」に力をいれて読むくらいの気持ちがあってよい。
 Bの(3)の出題単語は、たまたま前の字の声調がいずれも「第4声」なので、比較的正解が出しやすい。
 Bの(4)の出題単語は「第3声+第2声」で、この声調組み合わせは日本人のもっとも不得意とする発音である。「第3声」は押し殺したほど低い声で読むことに慣れよう。
 Bの(5)の出題単語は「第2声+第3声」である。間違って「第1声+第3声」に読む人が多いので気をつけよう。
 Cの出題は、ピンイン3要素(子音、母音、声調)のうち専ら子音の知識を問うもの。
あらためて子音の種類、つまり唇音、舌尖音、舌根音、舌面音、そり舌音、舌歯音の発音のしかたと表記法、さらにそれぞれの有気音と無気音の発音のしかたと表記法を確認しておくこと。

第2問
解答 1出租汽车 (タクシー) 2新闻节目(ニュース番組)
3技术合作  (技術協力) 4进口数量(輸入数量)

第3問
解答 1①   2②   3②  4③  5③
解説
1 三つの選択肢について説明すると、「所以」は後ろに結果を述べるときに使い、「因为」は後ろに原因、理由を述べるときに使い、「为了」は後ろに目的を述べるときに使う。前後の文意を考えると、後ろの文は明らかに結果を述べているので、正解は①となる。
2 三つの選択肢はいずれもある意味で動作の行われる対象、相手を表す前置詞であるので、やや紛らわしい。しかし「みやげ物」を「買ってあげた」という意味から、正解は②となる。
3 後ろの文意から、前文は既に起こった過去の状況であることはすぐに理解できる。従って正解は経験を表す②となる。なお動詞「去」の後ろに①と③が使われることは、まずないといっていい。 
4 前の文の中の「无论」に呼応する語としては、この選択肢の中では「还是」以外に考えられない。
5 前の文を読んで、当然「思い出せない」という中国語表現を選び出すことになる。
選択肢②は誤表現であるから取り除く。「想不到」は「思いもよらない、考えつかない」の意味であるから、ここでは不適当。

第4問
1:这些东西需要上税吗?
「これらの品物」(这些东西)を主題にして文頭に置く。「税金がかかる」は“上税”。
2:今天来向各位朋友告别。
 「…に別れの挨拶をする」は“向……告别”のパターン。「~しに来る」は中国語では“来~”の語順になるので、全体として“向各位朋友告别”という連動文が完成する。
3:那个地方物价贵得了不得。
 「物価が非常に高い」は、「高さの程度がすごい」という発想にして“贵得了不得”という程度補語の構文を使って表現する。“了不得”は、程度のはなはだしさを意味する形容詞。
4:我想和张经理见见面。
 「…と会う」は“和…见面”のパターン。“见面”は離合詞なので動詞の部分だけ重ね型にして、“见见面”で「ちょっとお会いする」の意味を表す。
5:这里有人讲中文吗?
 “有”を述語にする文は、“有”の後ろに名詞を置いて、その名詞の内容をそれに続けて表現する。したがって「中国語を話す人がいる」は“有人讲中文”という文になる。“有讲中文的人”とはならいない点に注意。

第5問
1)「北京であなた方とお話しできる機会があるように希望いたします。」
 ここでは、第4問の問5で解説したように“有”を述語とする文の構造を把握して、こなれた日本語に訳すことが求められている。
2)「なんとかなりませんでしょうか?」
 “不能…吗?”は「…できないでしょうか?」の意味の定型表現。
3)「私にはやはりいくつかの問題がどうもはっきりわかりません。」
 形容詞“清楚”は「くっきり(見える)」の他に「はっきりわかる」の意味もある。

第6問
1.我想订两张车票。
 「(チケット類を)予約する」は動詞の“订”を使う
2.贵社主要经营哪些商品?
 ここでは“经营哪些商品”とすることで、扱っている商品が複数有ることを表す。
3.我们对S公司的产品很有兴趣。
 「Xに興味がある」は“对X很有兴趣”というパターンを使う。
4.今天九点我们在这儿开会。
 時間(今日9時)や空間(ここで)は述語の前に置くのが中国語の語順。
5.能和大家见面,我感到非常高兴。
 「…に(と)会う」は“和…见面”で表現すれば良い。

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