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2004年1月  日本のマンガ家、北京で熱く語る

     
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北京で初の大型マンガ・アニメ展となる「北京国際漫画週」が今年1月3日までの約1週間、北京市内の中国革命軍事博物館で開かれました(主催・中国対外芸術展覧センターなど)。
国内外のマンガやアニメを通して相互理解と交流をはかり、中国のマンガ文化の発展につなげようとするのが目的。軍事博物館の広大なホールでは、国内外の名作原画3000点の展示をはじめ、アメリカやロシア、韓国のアニメの紹介、日本の最新式デジタルアニメの上映や立体コンピューターグラフィックス(3DCG)の体験製作などが行われ、会期中は学期末試験のさなかだったにもかかわらず、約1万人の学生や若いカップル、家族連れでにぎわいました。

 
     

とりわけ、中国のマンガファンをうならせたのが、国内外の著名なマンガ家らによるシンポジウム。日本からは、ちばてつやさん、里中満智子さんが講師として出席し“マンガ大国”である日本のマンガ史や創作秘話などについて、会場のファンに熱く語りかけました。その模様を、ここにご紹介いたします。
「漫画週」には、日本からマンガ家のモンキー・パンチさん、西村宗さん、日野日出志さんも出席しました。
シンポジウムで、ちばてつやさんは「日本マンガの発展」と題して講演。古くは平安時代末期の『鳥獣戯画』をルーツとする日本のマンガは、明治時代にイギリスの貿易商が発行した日本最初のマンガ雑誌『ジャパン・パンチ』を経て、大正・昭和時代には、風刺のきいた1コママンガや新聞連載の4コママンガ、子ども向けのかわいらしいキャラクターマンガ、ストーリーマンガへと変化を遂げていきました。その中で“マンガの神様”手塚治虫氏の登場が、日本のマンガ界に大きな影響を与えた、とちばさんは話します。

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「未来、宇宙、世界、ロボット……そういうものを、手塚先生はたくさん提議されました。幅の広い、計り知れない頭脳を持ったマンガ家の出現でした。私もまだ子どもでしたが、マンガっていうのはこういう世界も描けるんだ、こんなこともできるんだ、と子どもながらにカルチャーショックを受けたのです」

戦後、爆発的な人気を博した手塚氏に“追いつき追い越せ”とばかりに、マンガ家をめざす若者たちが増えました。また、戦後ベビーブーム世代の「団塊の世代」が青年になるにつれて、出版社も編集者もマンガ家も「子どもだけでなく、大人にも読まれるものを」と読者の獲得と拡大のために切磋琢磨していきました。こうして日本のマンガ文化が、他の国には見られないような大きな発展を遂げたのです。そして今では、日本のマンガがまさに「MANGA」という名称で、世界中に知られるようになりました。

「マンガは国家や言語、宗教のちがう国どうしでも、互いの生活習慣を知ることのできるすばらしい媒体です。中国や韓国などにも、優れたマンガの才能を持つ若者たちが出てきた。マンガが世界共通の文化になって、とてもうれしい」とちばさん。
日本に比べればマンガ(ストーリーマンガ)の歴史の浅い中国ですが、「若者たちの絵の力には、スゴイものがあると思う。これから中国にはすばらしいマンガ家が現れるだろうとうれしく思う反面、脅威を感じています」と、ちばさんは、中国のマンガ文化の変貌に驚きの声を上げていました。

続いて、里中満智子さんが「マンガと創作」をテーマに講演。
「日本では大人もマンガを読むというが、本当か?」「中国では才能のある若者がいても、広く紹介されるシステムが整っていない。どうしたらいいか?」という中国の若者から受けた質問に応えて「日本でも、わずか40年前には、子ども向けマンガ雑誌に作品を発表するしか方法はなかった。ところが『これまでと違うものを、自分自身のマンガを描きたい』というマンガ家たちのたゆまぬ努力によって、新しいテーマが生まれ、雑誌の数が増え、読者層も広がった。そして、大人もマンガを読むようになった」
「産業システムについても、もとの作品が優れているから人気が出る。その人気に企業が目をつけて、テレビアニメになったり、映画になったり、キャラクター商品になったりする。マンガの経済効果が上がるのです」などと語り、日本のマンガ産業はスタートしたときから読者層やシステムの面で成熟していたわけではなく、過去40年ほどの間にマンガ家と読者、出版社の連携によって、徐々に発達してきたものであることを強調しました。

また、マンガ家をめざす中国の若者たちに対しては「マンガ家は、作家とデザイナー、画家という3つの役割を一人でこなす大変な職業ですが、それが魅力でもある。最初は貧しく、苦しい生活かもしれませんが、努力と情熱をもって中国のマンガ文化を切り開いてほしい」と熱いエールを送りました。

シンポジウムではこのほか、元中国連環画芸術委員会主任の姜維朴さん、韓国マンガ動画学会会長の孫基煥さん、『北京卡通(マンガ・アニメ)』編集主幹の閻宝華さんが講演し、「中国の若いマンガ家を育てるためには、彼らの文化的な教養を高めるとともに、出版社や編集者が優れた作家を育成することが重要だ」(姜維朴さん)などの積極的な意見が出されました。
このあと2日間にわたって行われたサイン会には、中国のマンガファンらが日本や韓国から来たマンガ家のサインを求めて、長蛇の列をつくりました。北京のある男子学生は「モンキー・パンチ先生のアニメ『ルパン三世』をVCDで見ています。ルパンがすごくカッコいい」と、イラスト入りのサインをもらい大喜びで語っていました。

1980年代に日本のアニメ『鉄腕アトム』やコミックの『ドラえもん』『ドラゴンボール』が上陸し、刺激をうけた中国では、90年代半ばにオリジナルのコミック誌『北京卡通』(北京出版社出版集団)や『少年漫画』(中国美術出版総社)などが登場。その後も、新しい単行本や雑誌が次々と出版され、いまではインターネットを通じて、マンガのオンラインショッピングや読書が楽しめるようになりました。外国作品の正規の翻訳出版には制限があるものの、国産モノの発達もあり、マンガやアニメは中国の人たちにとっても身近なものになりつつあります。

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マンガオンラインショップ
★中国漫画信息網
  http://www.okcomic.net/ 
★中国新聞漫画網
  http://www.newscartoon.com.cn/
★南方網動漫頻道
  http://www.southcn.com/cartoon/photo/chncg/
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「教育に悪影響を及ぼす」と、これまで中国が “軽視”しがちだったマンガやアニメ――。北京における初の大型展の開催は、そうした政策の転換と、マンガやアニメのめざましい普及をさし示す、中国側からのメッセージだったのかもしれません。

 
   
   
     
     
bestsellere  

三聯韜奮図書中心(三聯書店) 調べ(北京市東城区美術館東街22号)
2004年1月5日~1月11日(三聯書店の出版物以外)

     
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1.『往時并不如烟』(往時は決して煙に及ばず)
章詒和著 人民文学出版社 2004年1月初版 132冊


解放後、民主同盟の実権派で国家交通部部長(大臣)であった章伯鈞は、1956年の「百花斉放、百家争鳴」で共産党批判を展開、翌57年の「反右派闘争」で失脚し、69年に病没する。本書は、その章伯鈞と李健生の間に生まれた娘・章詒和(今年62歳)が、闘争前後の両親の交友を思いおこした話題作。史良、儲安平、羅隆基ら“非共産党知識人”との交際や中国史の側面が、やさしくも重厚な文章によってつづられる。
「私の生涯は、天国と地獄、そしてこの世の3部曲を奏でてきた。……なんの意義も価値もない人生だけど、自分の生存理由をさぐるために筆を執った」と著者は静かにふりかえる。「『史記』の遺風と、魯迅の悲愴を備えている」(孫郁)と、その学術的・文学的価値を認める声も上がっている。


2.『老照片(第三十二辑)』(古い写真 第32集)
馮克力責任編集 山東画報出版社 2003年12月初版 71冊


読者から寄せられた20年以上前の写真とそれを紹介する文章(散文、エッセイ、説明など)で、中国の近現代を見つめ直そうとする隔月誌。マニアックな客の多い三聯書店では、必ずトップテン入りする人気誌である。


3.『青狐』
王蒙著 人民文学出版社 2004年1月初版 50冊


現代作家の第一人者、王蒙の最新長編小説だ。改革・開放とともに思想解放の時代を迎えた中国で、彗星のごとく文壇に現れた女性・盧倩姑(ルゥ・チェングゥ)――。しかし、奔放なまでに愛と自由を求める彼女の暮らしは崩壊していた。自己改造をはかる彼女は、やがて青狐(チンフゥ)になった。生き生きとして妖艶で、幻でもあり、真(まこと)でもある青い狐に……。
王蒙は、ある絶妙な角度で、女性や欲望、革命や民主、権力に対して独特な解釈をよせる。「歴史は偉大だが、人は往々にして平凡である。そのため人生の一切の悲喜劇が、そこから発生するのだ」――。ある女性作家の生き方を通して、現代社会を鋭く見つめる王蒙の意欲作。彼自身の仮説のプライバシーも描かれており、それが「売り」だと王蒙は語る。


bj200401_254.『中華伝統文化経典文庫』
民俗文化編写組編訳 中国致公出版社 2003年5月初版 34冊


『論語』『孟子』『大学・中庸』の四書をはじめ、『詩経』『唐詩三百首』『孫子兵法』『聊斎志異』などの古典名著を、文庫サイズに編集しなおしたもの。全28冊だが、1冊(8.8元)ずつ求めることができ、「安価で手軽」と売り上げを伸ばしている。「中国がほこる精神の財産は、中国人の文化教養を高め、道徳と情操を養い、社会主義精神文明を促進するために、大きな意義をもっている」と本書。古典の堅苦しさを取りはらい、イラスト入りで読みやすい文字サイズというのも、現代っ子たちには好まれているようだ。


5.『血酬定律:中国歴史中的生存游戯』(血の報酬法則:中国の歴史における生存遊戯)
呉思著 中国工人出版社 2003年8月初版 32冊


作者によれば、「血酬定律」とは「血を流して得た報酬」のこと。清代末期から中華民国の時代において、匪賊には懸賞金がかけられ、暴力組織にはさまざまな内部構造があった――など、うずもれた中国史の断片を拾い集める。


6.『好吃』(食を好む)
車前子著 山東画報出版社 2004年1月初版 31冊


「世界に初めから美食があったのではなく、グルメが美食を創りだした。美食の本質は、個人の創造なのである」(序章)。孔子編の『詩経』、袁朴の『食単』(随園食単)などの古典にはじまり、書画や骨董、民芸などに表現された中国の美食を、エッセイ風にひもといてゆく。
蘇州の伝統菓子である「棗泥麻餅」(棗ジャム入りゴマまぶし菓子)や、蒸した「臭豆腐」(発酵させた豆腐を塩漬けにしたもの)など、筆者が紹介する美食の数々は食欲をそそる。ページを飾る美しいカラー写真も、大いに目を楽しませてくれる。


7.『禅是一枝花』(禅は一枝の花)
胡蘭成著 上海社会科学院出版社 2004年1月初版 29冊


胡蘭成は、1906年中国浙江省生まれ。汪兆銘政権下で『中華日報』総編集長を務め、戦後日本に政治亡命した思想家である。台湾中国文化学院終身教授などの肩書きを持ち、一時期は作家の張愛玲と内縁関係にあったという。81年東京で死去。
最近は中国内地でも胡蘭成の再評価が高まっており、随筆集の『今生今世』など、復刻版が続々と刊行されている。本書もその一つ。日本で「禅宗の第一書」と評される北宋時代の『碧岩録』に独自の解釈を加え、現代的な思想の解放をはかろうとしたものである。原本初版は1976年にまとめられている。


bj200401_168.『大地紀行系列(単本)』(大地紀行シリーズ)
北京市図書進出口公司 27冊


台湾の出版社「大地地理出版公司」による分冊百科を輸入したもの。パリやニューヨークなど世界の観光名所を100冊からなるカラー誌でつづる。好みに応じて1冊(20元)から買うことができる。
ここにご紹介したのは「最後の帝都―北京」「華東の勝跡―南京と上海」「天然鍾乳洞の宝庫―貴州」「千載の帝都―西安」など、中国の名勝を特集した分冊。前門から天安門広場、故宮をドド~ンと俯瞰した空撮(北京版)など、ダイナミックなカラー写真は見応えがある。また、台湾の編集者たちが中国内地の観光をどんな風に切り取っているか――という視点で見るのも面白い。次のベストテン9位には、やはり観光ガイドの『夢幻旅游』がランキングしているが、それも豊かになった人々の観光ブームを裏付けていよう。


9.『夢幻旅游・中国巻』(夢幻旅行・中国の巻)
李立玮主編 陝西師範大学出版社 2004年1月初版 27冊


中国の人気旅行雑誌『中国国家地理』『時尚旅游』のトップ・エディターらが選んだ「一生のうちに行きたい50カ所」の中国編。
選ばれたのは「百年の城郭」として北京、蘇州、大理、麗江、「野外探検」として阿里、カナス、青海湖、タクラマカン、神農架、「この世の天国」としてシャングリラ、西湖、福建土楼、「陽光地帯」として長白山、黄山、九寨溝、ロコ湖、シガツェ、「文明の奇跡」として西夏王陵、五台山、雲崗石窟、ラサ、敦煌――などなど。目をみはるような山紫水明のカラー写真に、わかりやすい紹介文が添えられている。ロコ湖や西夏王陵、カナスなどの秘境も多数挙げられているので、ふつうの観光では満足しない人も旅心をそそられるに違いない。


10.『手機』(携帯電話)
劉震雲著 長江文芸出版社 2003年12月初版 26冊


正月映画の第一人者、馮小剛(フォン・シャオガン)監督の最新作が『手機』(携帯電話)である。2004年の正月はこの『手機』が話題をさらっているが、原作本である本書も、映画のヒットで相乗効果が出たようだ。
テレビの人気司会者である主人公・厳守一は、妻と2人の愛人の間を行き来するプレイボーイ。ある日、自宅に置き忘れた携帯電話に愛人からの電話が入り、妻にすべてを知られてしまい……。「ケータイは恐ろしい」「ケータイを忘れないようにしよう」と中国の男性たちを震撼させたコメディタッチの異色作である。
中国の携帯電話利用者は、現在2億人あまり。ケータイはもはや、身近なツール(道具)となっている。そうした中での『手機』の人気は、胸にイチモツある世の男性によって支えられている? 客層と読者層のリサーチもしてみたら、あるいは面白いかも!?しれない……。

 

 
   
     
   

今年の春節(旧正月)は、1月22日。中国では、この日をはじめとする3日間の公的休暇に、前後の土日を加えて1週間の「大型連休」となります。数億人にも上る里帰りの“大移動”はよく知られていますが、ならば田舎のない都会っ子たちは、どのような春節休みを過ごすのでしょうか?
2004年の北京の流行は、郊外のリゾートへ行って「過年」(年越し、正月を過ごす)をすること。西北郊外の延慶県・竜慶峡では花火や爆竹、氷祭りやスキーが、北郊外の懐柔区では観梅祭りや氷柱祭りが楽しめます。また、地元紙『北京青年報』によれば、今年は、花火や爆竹の行える場所が郊外(昌平区や通州区、延慶県や密雲県など)に限り、昨年より13カ所増えて52カ所になったとか……。
火事や事故を避けるため、市街地での爆竹が禁止されて11年。その爆発音が厄を除け、福を呼ぶと考えられているからですが、郊外へ行楽がてら花火を上げに行くなんて、なんともリッチな世の中になったものです。

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写真・文 小林さゆり
日本のメディアに中国の文化、社会、生活などについて執筆中

 

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