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中国山西の古刹を求めて 1934年—そして今 米中の2組が時空を超えて辿る友情の旅
阿南・ヴァージニア・史代/小池晴子 訳
出版社:Mashup LLC
出版年:2018年03月
コード:   164p   ISBN/ISSN 9784990922818
 
価格 3,080円
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■不滅の友情を育んだ現地調査への挑戦
本書は歴史と回想と旅行記とが密接に絡み合う異色の著作である。1934年、歴史家ジョン・フェアバンクと妻のウィルマは、北京在住時の隣人、建築家梁思成・林徽因夫妻とともに中国華北地方の探査旅行に出発した。80年後、著者は4人の旅を忠実に辿り、その詳細と新たな発見を報告している。

■歴史探訪への出発
読者は、4人の仲間が汾河渓谷沿いの農村地帯調査で見出したものと、著者が彼らの跡を辿ってほぼ80年後に発見したものの両方を経験することができる。日本人僧・慈覚大師円仁が歩いた9世紀半ばから続く道だった。幾重にも重なる歴史の層……その中には彼女独自の発見も含まれているのだが……をじっくり眺めることによって、著者は4人の足跡を特定する手がかりをつかんでいく。

■移ろいゆく遺跡の美
4人連れが注目し徹底的に調査した寺院跡で、著者はしばしば急速な都市化を目にする。彼女の写真を通して、読者は遥か昔の大工棟梁や石工、レンガ工や屋根瓦職人の技に感嘆するであろう。この本を書いた目的の一つは、明らかに彼女と二組のカップルが訪れた遺跡の移ろいゆく美に人々の関心を集めることだ。第2次大戦中および大戦後も続いた二組の交流の記録の中で、読者はまた梁思成が日中両国の文化遺産を戦争の破壊から守ろうとした断固たる決意も知ることになる。

■冒険精神と若々しい学問への情熱
著者は主として中国古文物研究家・画家であるウィルマの日誌を引用したが、他の3人の記録も引いている。梁夫妻は後に権威ある中国建築史を編纂した。林徽因の鋭敏な洞察力についてもつけ加えている。ジョンは高名なハーバード大学教授となったが、彼もまたこの旅行について書き残していた。何より重要なのは、ウィルマの常に積極的で冒険心に満ちた精神が読者に聞こえてくることだ。

わずか15ページの日誌に導かれて若い研究者の冒険を追う
■編著者紹介
阿南・ヴァージニア・史代
アメリカ・ニューオリンズ出身。1970年に日本国帰化。3回の北京在住(合計11年間)期間中、歴史地理のフィールドワークを行った。
カリフォルニア州スクリプト大学でアジア学を学び、続いて東西センターの奨学金を得てハワイ大学で歴史・地理を中心とするアジア学を専攻、同大学修士号取得。また、国立台湾師範大学で1年間中国語を習得した。
現在テンプル大学日本校(東京)で中国詩を教える。国立京都国際会館および東京・西町インターナショナル・スクール評議員。2011年スクリプト大学よりDistinguished Aluman Award(優秀卒業生賞)を受賞、2009年古跡古樹保護の功績により天津市とフェニックス・テレビ局より中国因你而美麗(中国の魅力発掘)賞を授与された。

おもな著作:
『由緒ある北京の名木を歩く』北京:2010
『古き北京との出会い 樹と石と水の物語』北京:2004,東京:2008
『円仁慈覚大師の足跡を訪ねて 今よみがえる唐代中国の旅』北京・東京:2008
他多数
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