北東アジアにおける帝国と地域社会
上製
白木沢旭児 編著
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出版社:北海道大学出版会 |
出版年:2017年03月 |
コード: 510p ISBN/ISSN 9784832968318 |
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19世紀から20世紀半ばの北東アジアはロシア(ソ連)、清(中国)、日本という3つの帝国が勢力圏を交錯させていた世界でもまれな地域であった。本書は諸帝国のプレゼンスが重なり合う植民地の地域社会に焦点をあて、支配される側の問題を重視しつつ地域史を描く。
目次: 序 帝国と地域社会に関する覚書(白木沢旭児) 1 帝国主義から帝国へ 2 北東アジアと地域社会 3 本書の構成
〔第1部 帝国のプレゼンスの原初形態〕 第1章 「トコンヘ一件」再考─北蝦夷地ウショロ場所におけるアイヌ支配と日露関係─(東俊佑) はじめに 1 「トコンヘ一件」のあらまし 2 ロシア人によるアイヌの借用─日露「雑居」下におけるサハリン島現地の対応─ 3 ハウトンマカの選択 4 ヲフツセリとロシア人の内通 5 「強奪土人」の帰村 まとめにかえて 第2章 日露戦争期から辛亥革命期の奉天在地軍事勢力─張作霖・馬賊・陸軍士官学校留学生─(及川琢英) はじめに 1 張作霖・馬賊と日露戦時特別任務班 2 張作霖の昇進と馬賊の清国官軍編入・日本人監督官の招聘 3 辛亥革命と張作霖・馮徳麟・陸軍士官学校留学生 おわりに
〔第2部 帝国と「勢力圏」〕 第3章 植民都市・安東の地域経済史─2つの帝国のはざまで─(白木沢旭児) はじめに 1 植民都市・安東 2 2つの帝国─商人の世界─ 3 2つの帝国─工業発展の諸相─ おわりに 第4章 日中合弁企業:営口水道電気株式会社の経営展開(秋山淳子) はじめに 1 都市営口の概要 2 営口水電の特徴と事業展開 3 経営をめぐる日中関係─対抗と協同─ おわりに 第5章 1940年代初頭の奉天市における中国人工場の地域分布─『満洲国工場名簿』の分析を中心として─(張暁紅) はじめに 1 地域区分と人口分布 2 工場分布 おわりに 第6章 朝鮮人「満洲」移民体験者の語りの諸相についての一考察─ライフヒストリー(生活史)法を用いて─(朴仁哲) はじめに 1 ライフヒストリー(生活史)法を用いる理由 2 朝鮮人の満洲への移住過程 3 移民体験者たちの語りの諸相 おわりに 第7章 日中戦争までの日中関係を改善するための胡適の模索─胡適の日記を中心に─(胡慧君) はじめに 1 胡適における日本,中国および日中問題改善の基本的な考え方 2 太平洋問題調査会と中国参加の背景 3 第三回会議(京都会議) 4 第四回会議(杭州・上海会議) 5 第五回会議(バンフ会議) 6 第六回会議(ヨセミテ会議) 結び
〔第3部 帝国と「公式植民地」〕 第8章 旧植民地在住日本人の記憶とその記録(辻弘範) はじめに 1 福岡市総合図書館「郷土・特別収蔵室」所蔵自伝資料 2 自伝執筆者たちの記憶と「植民地」 おわりに 第9章 第二次朝鮮教育令施行期(1922~1938年)における女子高等普通学校卒業生の進路選択について(崔誠姫) はじめに 1 第二次朝鮮教育令施行期の女子教育─初等教育と中等教育─ 2 女子高等普通学校卒業生の進路選択 おわりに 第10章 植民地企業城下町の構築と変容─日本窒素肥料の事例─(内藤隆夫) はじめに 1 日本窒素肥料の朝鮮における事業展開 2 企業城下町の形成 3 植民地企業城下町の実態とその変容 おわりに 第11章 朝鮮北部残留日本人の活動と「脱出」・「公式引揚」─日本窒素肥料の事例─(内藤隆夫) はじめに 1 敗戦と日本人世話会 2 日本人の工場締出しと再入場 3 技術者の役割 4 「脱出」と「引揚」 おわりに 第12章 日本の植民地下における生漆「国産化」の展開過程(湯山英子) はじめに 1 漆「国産化」の背景 2 台湾における安南漆導入過程 3 斎藤漆店の海外展開 4 戦後への連続 まとめと課題 第13章 日本領期の樺太における温泉開発と温泉をめぐる人びとの精神誌(池田貴夫) はじめに 1 日本領期に開発された主な温泉地 2 21世紀初頭のサハリンにおける川上温泉と遊仙閣跡地 3 樺太島民の温泉をめぐる精神誌 おわりに
あとがき 事項索引 人名索引 執筆者一覧
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