イブン・バットゥータと境域への旅 『大旅行記』をめぐる新研究
上製
家島彦一
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出版社:名古屋大学出版会 |
出版年:2017年02月 |
コード: 482p ISBN/ISSN 9784815808617 |
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中国、インド、北方ユーラシア、アフリカなど、イスラーム世界の海・陸の 「境域」 情報を伝える 『大旅行記』 は、まさに記録史料の宝庫と呼ぶにふさわしい。なぜ巡礼を超えて未知なる驚異の領域へと踏み込んでいったのか。その足跡と写本を追って世界を旅し、完訳を成し遂げた碩学による新たな到達点。
目次: 第I部 イブン・バットゥータ研究のために 概観 第1章 イブン・バットゥータの生涯とその時代 はじめに 1 家系・家族・生い立ち 2 イスラーム世界の境域をめぐる旅 3 旅の目的 4 『大旅行記』 成立の事情 5 編纂者のイブン・ジュザイイについて 6 晩年のイブン・バットゥータ 第2章 『大旅行記』 の構成と諸写本 はじめに 1 構 成 2 現存する 『大旅行記』 の諸写本の分類 3 『大旅行記』 の諸写本 結びに代えて 第3章 『大旅行記』 の研究と真偽性 1 『大旅行記』 の研究 2 史書に現れた 『大旅行記』 とその評価 3 現代の研究者による 『大旅行記』 の真偽性をめぐる議論 結びに代えて 第4章 紀行文学としてのメッカ巡礼記 はじめに 1 イブン・ジュバイルとイブン・バットゥータの旅 2 マグリブ地方におけるリフラの意味 3 リフラの時代区分 結びに代えて 第Ⅱ部 海の境域への旅 —— イブン・バットゥータの見たインド洋海域世界 概観 第1章 インド洋海域世界の隆盛と中国船 はじめに 1 ジュンクとザウの語源 2 イブン・バットゥータの中国旅行 第2章 マラッカ海峡の港市国家スムトラ・パサイ王国 はじめに 1 スムトラ・パサイ王国の外港サルハー 2 スムトラ・パサイ王国のイスラーム化 3 マリク・ザーヒルの統治とチェールマン・ペルマール伝承 第3章 イブン・バットゥータのマルディヴ諸島訪問 はじめに 1 マルディヴ諸島の地理的知識 2 イスラーム改宗をめぐる問題 3 女王ハディージャと王位継承問題 第4章 東アフリカ・スワヒリ世界の形成とクルワー王国 はじめに 1 東アフリカ海岸に沿ってクルワー王国への船旅 2 文献史料に現れたサワーヒルとスワヒリ 3 クルワー王国の隆盛とスファーラ金 4 クルワーのスルタンたちによる王権の確立 第5章 アラビア海を結ぶ人の移動と交流 はじめに 1 クルワー王国のスルタンたちのメッカ巡礼 2 ラスール朝のスルタン=マスウードによる二度のキルワ亡命 3 『キルワ年代記』 とラスール朝記録史料との比較 結びに代えて 第Ⅲ部 陸の境域への旅 —— ユーラシアとサハラ・スーダーン 概観 第1章 アナトリア世界のトルコ・イスラーム化 はじめに 1 トゥルキーヤの名称 2 ビザンツ帝国の境域地帯に成立したテュルク系諸侯国 3 アナトリア・アヒーについて 第2章 境域としてのドナウ・デルタとバーバー・サルトゥーク伝承 はじめに 1 境域で活動するスーフィー聖者たち 2 サルトゥークの街、ババ・ダグ 第3章 ブルガール旅行はフィクションか はじめに 1 キプチャク・ハーン国の北辺の町ブルガール 2 S・ヤニセクの主張によるブルガール情報への疑問 3 〈常闇の地〉 に関するアブー・ハーミドの記録との比較 第4章 中央アジアとインドを結ぶヒンドゥー・クシュ越え交通ルート はじめに 1 ヒンドゥー・クシュを越えてインダス河畔へ達するルート 2 〈アズィーズ〉 と呼ばれる移住者たち 3 トゥグルク朝スルタンの権威とアッバース朝カリフの神権性 第5章 サハラ砂漠を越えてのイスラーム・ネットワーク拡大 はじめに 1 スーダーン旅行の動機・目的は何か 2 サハラ越えの長距離キャラバン・ルート 3 マーッリー・タクルール王国の王都はどこか おわりに
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