中国の公共性と国家権力 その歴史と現在
/慶應義塾大学東アジア研究所 現代中国研究シリーズ
上製
小嶋華津子,島田美和 編著
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出版社:慶應義塾大学出版会 |
出版年:2017年03月 |
コード: 190p ISBN/ISSN 9784766424065 |
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▼国家統合のかたちを探る。 生存・生活のために築かれた多層的な「公共空間」は、近現代中国の国民国家建設の過程でいかなる役割を果たしてきたか。 グローバル化時代にあってなお重要性を増しつつある国家のありようを、生活者としての人びとのつながりと、国家権力との相互作用として描き出す。
目次: 序論 中国の「公共空間」(小嶋華津子,島田美和) Ⅰ 台頭する中国と国の強さ Ⅱ 国家、「公共性」、「社会的連帯」 Ⅲ 中国研究と「公共空間」 Ⅳ 本書の目的と視角 Ⅴ 本書の構成
〔第Ⅰ部 包摂と排除――都市、コミュニティ、福祉〕 第1章 国家権力と流動人口――清末民初の乞食管理問題にみる国家権力、管理、「公共空間(圏)」(衛藤安奈) はじめに Ⅰ 清末の伝統的乞食管理の試み Ⅱ 清末民初の近代的乞食管理 おわりに 第2章 慈善団体と国家――嬰児保護をめぐる「公共性」について(鄭浩瀾) はじめに Ⅰ 公共問題としての嬰児遺棄・嬰児殺し Ⅱ 育嬰堂に対する国家管理の強化 Ⅲ 嬰児保護と「公」 おわりに 第3章 都市とコモンズ――都市公園の管理と利用(島田美和) はじめに Ⅰ 北京政府期における都市公園の成立 Ⅱ 公園の管轄権をめぐる中央、地方、地域社会 Ⅲ 公園の管理と利用 おわりに 第4章 社会国家への模索――「労働保険条例」の施行と挫折(小嶋華津子) はじめに Ⅰ 「中華人民共和国労働保険条例」の制定 Ⅱ 「中華人民共和国労働保険条例」の破綻 おわりに――中国の「社会国家」建設と社会の連帯
〔第Ⅱ部 地域の共同性と公論形成〕 第5章 郷里空間の統治と暴力――危機下の農村における共同性の再編と地域自治政権(山本真) はじめに Ⅰ 民国時期、河南南西部における治安の悪化と地域自治政権の創設 Ⅱ 自治の内容 Ⅲ 地域主義(分権)と党国体制(集権)との矛盾 おわりに 第6章 都市コミュニティの建設――「社区」とコミュニティ(朱安新,小嶋華津子) はじめに Ⅰ 「単位」制度と月壇地区 Ⅱ 「社区」建設プロジェクトと月壇街道地区 おわりに 第7章 「協商民主」と地域社会――協商民主に探る新たな公共性創出の可能性(中岡まり) はじめに Ⅰ 中国における地域的共同性と「協商民主」――「官」と公共性の関係 Ⅱ 基層における「協商民主」の実態 おわりに
あとがき 索引
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