戦後日中関係と廖承志 中国の知日派と対日政策
／慶應義塾大学東アジア研究所・現代中国研究シリーズ
上製
王雪萍 編著
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| 出版社：慶應義塾大学出版会 |
| 出版年：2013年09月 |
| コード： 396p ISBN/ISSN 9784766420876 |
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日本生まれの中国人で、戦後、周恩来の下で対日業務・情報収集の責任者であった廖承志と、その下の組織横断的なグループの活動についての、日本で初めての本格的な論考集。
日中国交正常化以前の中国が、中華人民共和国建設から国交樹立までの期間、経済および外交分野における対日人脈を利用して情報をどのように集め、政策過程に結びつけていったのか。廖承志の下に集められた緻密な人的組織と決定のプロセスが、一次史料をもとに、ここに明らかにされる。さらにはそこには周恩来と廖承志のたぐいまれな連携が存在した。廖承志亡き後、なぜ日中関係が緊密でなくなったのか、その理由も問うものとなっている。
付録として、当時、廖承志と仕事を共にした外交部職員、および周恩来の通訳のインタビューを付す。
目次：
シリーズ刊行の辞 国分良成
序章 対日政策と廖承志 ―― 分析の視座 王 雪萍・杉浦康之
第１部 廖承志と廖班 ―― 人と組織
第１章 廖承志と廖班の対日業務担当者 王 雪萍
第２章 日本人引揚と廖承志 ―― 廖班の形成・展開とその関与 大澤武司
第３章 中国の対日経済外交と廖承志の役割 ―― 実務統括・政治的調整・象徴 山影 統
第４章 中国の対日政策における留日学生・華僑――人材確保・対日宣伝・対中支援 王 雪萍
第２部 廖班の対日工作をめぐる中国・日本・国府の攻防
第５章 知日派の対日工作 ―― 東京連絡事務処の成立過程とその活動を中心に 杉浦康之
第６章 日本から見た廖承志の対日工作 ―― 自民党親中国派を中心に 井上正也
第７章 廖承志の対日工作と中華民国 ―― LT貿易協定・廖承志訪日を中心に 戴 振豊（翻訳：杜崎群傑）
第３部 現代中国から見る廖承志とその時代
第８章 周恩来と廖承志 ―― 中国革命から中日友好へ 胡 鳴
第９章 「廖承志時代」をどう理解するか ―― 戦後中日関係の情報政治学 劉 建平（翻訳：大澤武司・山影 統）
終章 知日派の役割 ―― 21世紀の日中関係への示唆 編集委員会
補遺 中国の外交官から見た廖承志
補遺１ 中国外交部日本処元処長・丁民氏が語る廖承志
補遺２ 周恩来ら中国指導者の通訳・周斌氏が語る廖承志
主要参考文献
あとがき 王 雪萍
索引
■《慶應義塾大学東アジア研究所・現代中国研究シリーズ》既刊書一覧
党国体制の現在 変容する社会と中国共産党の適応 加茂具樹、小嶋華津子、星野昌裕、武内宏樹 編著 2012年02月
現代中国外交の六十年 変化と持続 添谷芳秀 編著 2011年03月
救国、動員、秩序 変革期中国の政治と社会 高橋伸夫 編著 2010年09月
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