赤い星は如何にして昇ったか 知られざる毛沢東の初期イメージ
/京大人文研東方学叢書2
上製
石川禎浩
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出版社:臨川書店 |
出版年:2016年11月 |
コード: 274p ISBN/ISSN 9784653043720 |
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その名は轟けども姿の見えない毛沢東――政府官報に掲載された太っちょ毛沢東はいったい何者なのか。傑作ルポルタージュ『中国の赤い星』によって毛の素顔が明らかになるまで、偉大なる革命家は世界で如何なるイメージをもたれていたのか。世界中に散らばった毛沢東像の断片を拾い集め、本場中国の人びとも―あるいは毛本人すら―知らない、若き日の毛のイメージを浮かび上がらせる。『中国の赤い星』によって覆されるそのイメージとともに、同書が「名著」の高みへと昇る過程を描く。
目次: はじめに――謎の毛沢東像 第一章 知られざる革命家 第一節 毛沢東その人 第二節 中国政界情報誌の毛沢東伝――中国初の毛沢東伝 第三節 一九三〇年代初めの内外人名録での毛沢東 第四節 コミンテルンという組織 第五節 コミンテルンはどれほど毛沢東のことを知っていたか 第二章 マオの肖像――イメージの世界 第一節 欧米は毛沢東をどう見たか――支援者の描いた「さえないおじさん」 第二節 「毛沢東死せり」――コミンテルンの流した訃報 第三節 毛沢東肖像画の登場 第四節 ロシア人エレンブルグの見た毛沢東――国外最初の毛沢東伝 第五節 雨傘を持つ革命家 第三章 国際共産主義運動への姿なき登場 第一節 毛沢東を持ち上げる王明――初の著作集の出版 第二節 ハマダンの毛沢東伝 第三節 「毛沢東伝略」――中国共産党員によって初めて書かれた毛沢東評伝 第四節 モスクワの毛沢東伝――コピー・アンド・ペーストの世界 第五節 高自立のその後 第四章 太っちょ写真の謎 第一節 太っちょ毛沢東の初登場――山本實彦著『支那』 第二節 朱徳写真という手がかり 第三節 太っちょ毛沢東を掲載したのは誰か 第四節 波多野乾一の中国共産党研究 第五節 外務省情報部――国民に何を伝えるか 第六節 あの太っちょは誰か 第五章 スノー「赤い中国」へ入る 第一節 絶妙だった取材のタイミング 第二節 同行者と仲介者――ハテム、馮雪峰、劉鼎 第三節 届かなかった荷物――劉鼎と「魯迅のハム」 第四節 妻ヘレン・フォスター(ニム・ウェールズ)の貢献 第五節 『赤い星』は毛沢東の検閲を受けたものだったのか 第六章 「赤い星」いよいよ昇る――名著の誕生とその後 第一節 「赤い星」誕生 第二節 寄せられる称賛と批判 第三節 『赤い星』英語版のその後 第四節 『赤い星』中国語版――『西行漫記』とスノー 第五節 人民共和国での『赤い星』――秘匿された名著 第六節 ソ連と『赤い星』 第七節 戦前・戦中日本での『赤い星』 第八節 戦後日本での『赤い星』 おわりに 附録 エレンブルグ「毛沢東――略伝」 参考図書・参考文献 あとがき 図版リスト/索引
■京都学派の伝統がひらく 深淵な東洋学の世界 京都大学人文科学研究所東方部は、東方学、とりわけ中国学研究に長い歴史と伝統を有し、世界に冠たる研究所として国内外に知られている。約三十名にのぼる所員は、東アジアの歴史、文学、思想に関して多くの業績を出している。その研究成果を一般にわかりやすく還元することを目して、このたび「京大人文研東方学叢書」をここに刊行する。
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