日本文学の翻訳と流通 近代世界のネットワークへ
/アジア遊学216
河野至恩,村井則子 編
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出版社:勉誠出版 |
出版年:2018年01月 |
コード: 288p ISBN/ISSN 9784585226826 |
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日本語の文学・芸術・文化テクストは、近代の世界各地でどのように読まれたのか―
「翻訳」「流通」をキーワードに日本文学の海外受容史を読み直し、その解釈の新たな可能性を提示する。近年の比較文学・日本文学研究の動向も踏まえつつ、19世紀後半~20世紀前半の具体的な受容を通して、日本文学の世界での展開と、世界的な枠組みからの読み直しを目指す。
目次: はじめに(河野至恩)
Ⅰ 日本文学翻訳の出発とその展開 日本文学の発見―和文英訳黎明期に関する試論(マイケル・エメリック/長瀬海 訳) 一九一〇年代における英語圏の日本近代文学―光井・シンクレア訳『其面影』をめぐって(河野至恩) 日本文学の翻訳に求められたもの―グレン・ショー翻訳、菊池寛戯曲の流通・書評・上演をめぐって(鈴木暁世)
Ⅱ 俳句・haikuの詩学と世界文学 拡大される俳句の詩的可能性―世紀転換期西洋と日本における新たな俳句鑑賞の出現(前島志保) 最初の考えが最良の考え―ケルアックの『メキシコシティ・ブルース』における俳句の詩学(ジェフリー・ジョンソン/赤木大介,河野至恩 訳)
Ⅲ 生成する日本・東洋・アジア 義経=ジンギスカン説の輸出と逆輸入―黄禍と興亜のあいだで(橋本順光) 反転する眼差し―ヨネ・ノグチの日本文学・文化論(中地幸) 翻訳により生まれた作家―昭和一〇年代の日本における「岡倉天心」の創出と受容(村井則子)
Ⅳ 二〇世紀北東アジアと翻訳の諸相 ユートピアへの迂回路―魯迅・周作人・武者小路実篤と『新青年』における青年たちの夢(アンジェラ・ユー/A・ユー,竹井仁志 訳) 朝鮮伝統文芸の日本語翻訳と玄鎭健の『無影塔』における民族意識(金孝順) ミハイル・グリゴーリエフと満鉄のロシア語出版物(沢田和彦)
Ⅴ 〈帝国〉の書物流通 マリヤンの本を追って―帝国の書物ネットワークと空間支配(日比嘉高) 日本占領下インドネシアの日本語文庫構築と翻訳事業(和田敦彦)
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