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日本古代史の方法と意義
上製
新川登亀男 編
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出版社:勉誠出版 |
出版年:2018年01月 |
コード: 876p ISBN/ISSN 9784585222057 |
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歴史を記述すること―このことは「歴史をいかに見ているのか」をあらわす鑑である。現在、歴史を考え、表現し、伝える環境は、大きな変化を見せている。それでは、いま、歴史学、そして古代史を考えるということは、いったい何を対象として、どのようなスタンスで歴史の正体に迫ろうとする営みであるのか。研究・教育・行政の最前線を走る35名の多様な視点から、日本古代史を読み解く方法論、そしてそこに横たわる歴史研究の意義を提起し、多面的に存在する歴史との対話とその記述の可能性を示す。
目次: 序言 新川登亀男
Ⅰ 歴史学を問う 文字資料と歴史の関係性を問う序説―上宮王家襲撃・滅亡記事をめぐって 新川登亀男 『古事記伝』と津田左右吉―「時」の開示をめぐる論説 早川万年 先学の言葉 榎本淳一 〈異文化理解〉について―これまでの「私」をふりかえる 水口幹記 韓国における日本古代史研究の可能性 鄭淳一
Ⅱ 史料をひらく 使者と文書 川尻秋生 『御堂関白記』の仮名 倉本一宏 中世近衞家の日記目録について 尾上陽介 『延喜式』写本系統の基礎的研究―巻五を中心に 小倉慈司 地域資料による古代史研究―上野三碑と上野国交替実録帳を中心に 前澤和之 ベトナムにおける新発見の陶璜廟碑 ファム・レ・フイ
Ⅲ 王権を考える 磐井の乱前後の北部九州と倭王権 田中史生 角氏の氏族的性格とその王権奉仕―両貫制という視点より見た 加藤謙吉 高麗王若光と武蔵国高麗郡 鈴木正信 平安初期における王権の多極構造―皇位継承と王権内の女性の位相 仁藤智子
Ⅳ 制度を解く 『隋書』倭国伝の「八十戸」―北康宏氏の所説にふれて 篠川賢 律令官人制と古代の東北 十川陽一 九世紀の仕丁制と日功 堀部猛 外交文書開封にみる政治文化 浜田久美子
Ⅴ 人間の歴史を問う 「聖徳太子」の名号について 仁藤敦史 桓武朝の男女の別政策 小林茂文 古代の人々と化身 三宅和朗 日本古代の国家と災害認識 山口えり
Ⅵ 課題史を考える 応和宗論の再検討 石附敏幸 伊勢平氏と日宋貿易―研究動向と史料の整理 森公章 国譲り神話の場所をめぐって 瀧音能之 渋沢敬三と漁業史研究 亀谷弘明
Ⅶ 歴史を開示する 古代地方史研究の課題―新潟県を例として 浅井勝利 現代社会における地域社会史研究の意義と課題 傳田伊史 古代史研究におけるデジタルアーカイブの活用 ―黒川春村校訂「尾張国解文」の各種写本を事例として 藤原秀之 古代史研究と教育のいま―座学からアクティヴ・ラーニングへ 井上亘
Ⅷ 自他を往還する 韓国古代史学界における『日本書紀』活用の現状と問題点 李永植 共存の歴史学―韓国における日本古代史研究の動向と課題 金善民 日本列島の古代史と韓半島の「質」 羅幸柱 入唐僧円仁と唐人楊敬之―円仁の求法巡礼を支えた唐人の交流ネットワーク 葛継勇
あとがき 川尻秋生
執筆者一覧
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