数と易の中国思想史 術数学とは何か
上製
川原秀城
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出版社:勉誠出版 |
出版年:2018年05月 |
コード: 258p ISBN/ISSN 9784585210450 |
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中国の数の哲学―術数学。天文学や数学などの数理科学的分野を対象とする暦算、そして、易学の一側面として、福を冀い禍を逃れることを目的とし、「数」のもつ神秘性に着目する占術からなり、広く東アジア全域に巨大な影響を与えてきた。術数学に見え隠れする数と易とのジレンマを解明し、「数」により世界を理解する術数学の諸相を総体的に捉えることで、中国思想史の基底をなす学問の体系を明らかにする。
目次: 前言
術数学原論 1 中国の「計量的」科学 小序 1 術数学と数の二義性 1.1 中国科学と術数的思考 1.2 暦算と占術 1.3 算書中の占法と占書中の数理知識 1.4 算術と筮法の結合 2 経学と術数学 2.1 董仲舒の天人の学 2.2 劉歆の目録学 小結 2 中国の数術 1 術数学の定義 1.1 漢書の用例 1.2 術数概念の外延 1.3 術数の定義 1.4 数術と方術 2 術数学の歴史 2.1 数理の自律的展開 2.2 易説による数の統一的解釈 術数学の時代区分―結びにかえて 3 朱子学は術数学か 1 術数原論 1.1 術数一論―科学思想の視点からの分析 1.2 術数二論―歴史的な分析 2 問題の所在 3 朱子学に対する術数学的な評価 3.1 黃胤錫の理藪新編 3.2 阮元の疇人伝序 4 朱子哲学に現れる術数的思考 4.1 形而上学と自然学の混淆 4.2 倫理と卜筮の併存 4.3 律呂本原と候気の矛盾 小結 補論
術数学専論 4 大衍術 1 前史 1.1 「物不知数」 1.2 中国剰余定理 2 秦九韶の大衍術 2.1 大衍総数術 2.2 大衍求一術 2.3 一般合同題の解法 2.4 元数と定母 2.5 解の存在条件について 2.6 上元積年の計算 小結 5 秦九韶の易筮法 1 多様な筮法の存在 2 秦九韶の筮法 3 大衍術 4 筮法と算法の一体化 小結 6 皇極経世学小史 1 邵雍の『皇極経世書』 1.1 歴年表 1.2 声音表 1.3 観物外篇と先天易学 1.4 術数と観物 2 皇極経世学の展開 2.1 邵伯温と蔡元定の易説 2.2 張行成の掛一図と既済図 2.3 祝泌の起運法と語音分析 2.4 黄畿の気六変説 小結 7 律暦淵源と河図洛書 問題の所在 1 数理本原と周易折中 1.1 河図図と加減法 1.2 洛書図と乗除法 2 数学と道学 2.1 数理科学の河図洛書起源説 2.2 康煕帝と朱子学 小結
術数学補論 8 『孫子』における天文と地理 1 兵家思想における合理性と神秘性 1.1 中国の天文と地理 1.2 権謀家の軍事思想 2 孫子における天文と地理 2.1 天文・地理の重要性 2.2 天とは…… 2.3 天文占 2.4 寒暑と時制 2.5 孫子の地理認識 小結―「人」の視点 9 中国古来の哲理・五行思想 1 天の哲学 2 五行思想 3 五行災異 4 水と聴 5 五徳終始 6 水徳の王朝 7 科学理論への影響 10 中国の「はかり」の世界 1 中国の統一度量衡制 2 度量衡と声律 3 劉歆の三統哲学 11 術数的思考と中国医学 1 術数的思考 1.1 中国の数術 1.2 中国科学の計量的性格 1.3 数の二義性 1.4 術数学=暦算+占術 1.5 理数と命数の混淆 2 中国医学と術数的思考 2.1 方技の二義性 2.2 本草学と三品分類 2.3 営五十周
後言
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