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幻の重慶二流堂 日中戦争下の芸術家群像 上製
阿部幸夫
出版社:東方書店
出版年:2012年06月
コード:00740   288p   ISBN/ISSN 9784497212184
 
価格 2,640円
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日中戦争下の臨時首都重慶で、文化人たちが集ったサロン「二流堂」。劇作家夏衍・呉祖光・曹禺・老舎ら多彩な人物像と、抗戦下に華開いた文芸界の様相を哀惜をこめて活写する。戯曲解説・人名録など関係資料収録。

編著者のことば
「二流堂」を名乗る組織化された文芸団体が、抗戦期の臨時首都重慶に実在したわけではない。だからいまさら彼ら芸術家たちを反革命だなどとやり玉に挙げるのはおよそ筋違いだ。そう庇ったのが、周恩来だった。庇うだけでなくむしろ、あのころの重慶文芸界には「二流堂」なる、有形な組織体ではない、無形なる「中国の知性」あるいは「中国の良識」が存在して、抗日戦争遂行の世論をリードしたのだ、といいたかったのだろう。その良識グループのひとり呉祖光は、いみじくも「二流堂の群落」と表現する。いわれると、そうか、知的な傾向が同じで、有機的に生育している植物群体が、群れないようで群がっていたのだなと、妙に感心もし納得する。……(「あとがき」より)

構成
衆説と真説――まえがき
一、序曲/幻の文士劇「屈原」
 山城霧中のデマゴギー/電影から戯劇へ
二、文芸カフェ「ペテーフィ倶楽部」
 伯楽と神童、そして禁演/楽屋朋友(がくやなかま)は太子党1?/『沁園春・詠雪』
三、「二流堂」の工程師・唐瑜
 二流堂主不朽/潘漢年の走り使い/四徳村の住人たち
四、救亡演劇、「香港」舞台――金山・王瑩の踏ん張り
 抗日宣伝の拠点/ユダヤ人医師マンハイム教授/南洋僑胞を抱え込む/香港で「重慶」を鞭撻する 
五、裏街道の仕事師、潘漢年
 黒い男の失踪/申告漏れ案件一つ/職業革命家の面目/「言い訳はするな」
六、翻訳文化と活字文化――馮亦代
 ホンコンの文化村/彼の地彼の時・此の地此の時/「手提げカバン」出版社
七、「二流堂」の世話役――戴浩
 哥児們(おとこだて)――任侠の世界
八、霧季戯劇節――夏衍
 重慶演劇の「霧季公演」/「ファッショ」細菌の発見/モデルは陶晶孫?/濃密な詩情、静かな筆致
九、文工会副主任――陽翰笙
 夜明け前の四川/台本没収、死刑宣言/罪名は国民党革命史実の歪曲
十、全方位演劇人――曹禺
 国共の合作を演出/国立劇校、奮闘す/一九三九年、江安/『原野』の季節/家の「崩壊」を描く/鬱々の日々から紡ぎだす/曹禺、最後の舞台演技
十一、『正在想』からメキシコ万歳へ
 良質な翻案劇/戦場のラ・カクチャは切なく/天の半分を支えて/「呉祖光×曹禺」劇
十二、生真面目な「どたばた喜劇」――老舎
 幅広い統戦工作/喜劇か「どたばた」か/メンツと閑職/舞台衣装の馬褂
十三、テロリズム賛歌『野玫瑰』
 白楊が役を降り、秦怡で当てる/特務(スパイ)ものの大衆演劇/再演、三演、そして映画化
十四、応雲衞に献じた『戯劇春秋』
 「中芸」から「中術」へ/プロの劇団を任されて/すべてが「抗戦史詩」/すべての演劇人に捧げる
十五、中華劇芸社の書き手、陳白塵
中芸の旗揚げ公演/筋金入りの演劇人/『結婚行進曲』の上演中止/惨勝と『陞官図(しゅっせすごろく)』
十六、中国芸術劇社の成立
 ゆるゆる連合体構想!?/あの頃の「上海」と「重慶」
番外 重慶影劇界花絮(こぼればなし)
 十七、尾声 霧・山城・演劇――大後方の文学者たち 重慶再游ルポ
重慶の文芸地図

付録
話劇作品解説(1~59)
霧の重慶 演劇(話劇)公演一覧 皖南事変以降 1941-1946
重慶「二流堂」関連人物ラフ・スケッチ(1942年)
参考資料
索引
重慶文芸地図


【関連書籍】
上海解放 夏衍自伝・終章  阿部幸夫 編訳 東方書店 2015年07月刊

■編著者紹介
1929年生。実践女子大学大学院元教授。中国近現代文学専攻。主な著訳書に『杭州月明―夏衍日本留学日記・一九二五』(研文出版、2008)、『魯迅書簡と詩箋』(研文出版、2002)、『日本回憶 /夏衍自伝1』(夏衍著、東方書店、1987)、『上海に燃ゆ/夏衍自伝2』(同、1989)、『ペンと戦争/夏衍自伝3』(同、1988)ほか。
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