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客家と中国革命 「多元的国家」への視座
矢吹晋,藤野彰
出版社:東方書店
出版年:2010年11月
コード:00702   416p   ISBN/ISSN 9784497210159
 
価格 2,640円
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漢民族でありながら、客家語を話し、他の漢民族とは生活様式・風俗習慣などを異にする「客家」という特異な存在を考察し、「客家」という切り口から現代中国を見つめ、中国の政府や社会が抱える諸矛盾の根源に迫る。

編著者のことば
プの自立性、独自性を名実ともに尊重する多元的システムの構築が模索されていくのではないか。それは、共産党の思惑や打算を超えて、二一世紀中国の最大のテーマとなっていくように思われる。(藤野彰)

構成
口絵(中央革命根拠地の範囲と客家居住区)
まえがき――新たな客家論の構築に向けて
Ⅰ 客家の実像――歴史と革命の中で  矢吹 晋
1 客家伝説の誕生
(1)黄巣の言葉から生まれた葛藤伝説
中国史上「最大最長の伝説」/日本の落人伝説との対比/客家伝説の拡大
(2)革命伝説その1――井岡山
土籍と客籍の矛盾/袁文才、王佐の「処分」
(3)革命伝説その2――富田事変
内ゲバ第二幕の開始/「内部の敵」におびえる紅軍/吹き荒れる粛清の嵐/タブー解禁の経過
(4)客家伝説を超えて
太平天国と紅軍の長征/改革開放後の「客家学」復活/客家のイメージ
2 客家のルーツを探る
(1)客家研究の始まり
(2)客家「聖地伝説」の矛盾――羅香林批判
寧化石壁伝承/牧野=瀬川仮説と謝重光仮説
(3)歴史資料から論じる
「主戸・客戸」解釈論への批判/「族譜」妄信の過ち/「客家=中原士族」説批判
(4)畲族と漢民族との関係
畲族先民について/畲族と客家先民との交流
(5)言語から見た客家
橋本=諏訪仮説/アジア大陸のミクロコスモス
3 客家社会の形成と発展
(1)客家民系の開放的システム
文化概念としての客家/客家民系が来た道/南遷以前の居住地/山地で生きる
(2)呉松弟による羅香林批判
「客家先民」と「客家源流」/源流は南宋移民
(3)客家民系の広域的拡散
南方各地そして台湾へ/南洋への移住
4 開かれた「中華世界」への道
(1)他称と自称のはざまで
(2)その後の客家学
(3)連邦国家の初心に立ち返る
人物略記
参考文献

Ⅱ 「客家」再発見の旅――革命の故地で考える  藤野 彰
はじめに――「客家」取材ノートから
1 四川省広安――鄧小平「客家説」を追う
改革開放の総設計師を生んだ土地/鄧小平故居を襲う市場経済の波/鄧小平のルーツと「広東客家」説/鄧小平の「客家」アイデンティティー/洛帯鎮に見る四川客家
2 江西省井岡山――毛沢東と「客家の緑林」たち
農村根拠地革命の原点/紅米とカボチャと革命/「客籍」が支えた井岡山闘争/「土籍」と「客籍」の矛盾/袁文才と王佐の悲劇
3 江西省瑞金――「客家」ソビエト共和国の実像
鄧小平と江西の因縁/客家文化圏に重なる中央根拠地/長征の陰に客家あり/瑞金客家の豊かな食文化
4 湖南省瀏陽――悲運の「客家総書記」胡耀邦
湖南客家の熱い血/「紅小鬼」の郷里と判官贔屓/「不公平」憎む客家魂/湖南客家をめぐる遺聞
5 広東省梅州――「客都」が育んだ葉剣英の革命精神
客家の根拠地/梅州につながる多彩な人脈/「華僑」出身の元帥・葉剣英/客家の気概
参考文献

Ⅲ 対論 なぜ今、客家に注目するのか  矢吹 晋×藤野 彰
土楼の起源について/中国共産党史から消された客家/日本、そして中国における客家認識/中国革命史の中の客家/「中華民族」宣揚の背景/赤嶺畲族郷を訪れて/中国のゆくえ/客家を見て、中国が見える/付・日本と中国の文献に見る客家

あとがきに代えて――私の客家・漢民族認識のあゆみ  矢吹 晋
あとがきに代えて――「客家」問題と中国の未来  藤野 彰
事項索引/人名索引

■編著者紹介
矢吹 晋(やぶき すすむ):1962年、東京大学経済学部卒業。東洋経済新報記者、アジア経済研究所研究員を経て、横浜市立大学教授(2004年定年)、現在、横浜市立大学名誉教授。財団法人東洋文庫研究員、21世紀総研ディレクターなどを務める。藤野 彰(ふじの あきら):1978年、早稲田大学政治経済学部卒業。同年、読売新聞社入社。86~87年、山東大学に留学。上海、北京特派員、シンガポール支局長、中国総局長などを経て、2006年より東京本社編集委員。
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