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詳細情報
傀儡花 /印刻文學
陳耀昌
出版社:INK印刻文學生活雜誌出版有限公司
出版年:2016年01月
コード:430529   460p  23cm ISBN/ISSN 9789863870777
 
価格 4,860円
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『島嶼DNA』の著者が、『福爾摩沙三族記』に続いて世に問う、近代台湾史をテーマとする長編小説。本作品は1867年3月に、台湾南端の墾丁海岸で起こったローバー号事件を描いており、2016年に台湾文学奨・長編小説部門賞を受賞し、さらに台湾公共テレビによるドラマ化が決定している。
近海で航行不能となった米国船ローバー号の乗員十数名が小舟に乗り換え、台湾南部の海岸に漂着するが、原住民により、ほぼ全員が殺害されるかもしくは行方不明となった事件である。アメリカ駐アモイ行使であったルジャンドルが事件の対応にあたるが、統治外での事件として無関係を貫く清朝との間に深刻な緊張が起こる。一方、言葉や風習の違い、西洋人への不信感などから、米国と現住民の間でまさに一触即発の事態になる。強大な戦力を持つアメリカ海軍に対し、原住民が抵抗することは難しく、半島を率いていた瑯嶠十八社は、総頭目にトキトク(卓杞篤)を据え、アメリカ側との話し合いによる交渉に命運をかける。そしてトキトクは見事この危難を乗り切り、トキトクとルジャンドルとの間で「国際条約」文書が交わされる。
その後、近代台湾史に初めて刻まれたこの事件とその時取り交わした「国際条約」が、その後の日本による1874年の「台湾出兵(牡丹社事件)」を引き起こし、さらに1875年の清朝重臣・沈葆楨による「開山撫番」政策の実施と1885年「台湾建省」、そして1895年から1945年まで実に50年に渡る「日治時代」へとつながっていく。
主人公は、客家人の父親と原住民族パイワン族の母親を持ち、台湾出兵の際に重要な役割を果たす実在の人物・潘文傑と、架空の人物である姉・潘蝶妹。タイトル「傀儡花」は彼女にちなんだものである。
著者は史料を充分に読み込み、作品の構成を工夫し、史実に巧みにフィクションを織り交ぜており、読者は、あたかもその現場に立ち会っているかのような臨場感を味わう。福佬(大陸渡りの漢人)、客家、生番(清朝の支配が及ばない原住民)、熟番(漢化された原住民)、混血土生仔(混血系原住民)、清朝官吏や列強各国の使節、伝教師など、当時の台湾で生きた、実に様々な人々が、それぞれの思惑のもと、互いに策略を巡らせ、事件発生後の複雑な情勢に立ち向かう姿は驚嘆に値する。読者は、一度読めばその驚くべき内容に胸躍るが、再度読めばその後の台湾史に思いを馳せずにはいられず、三度目に読む時には、人々の関係の複雑さと対立の深刻さに胸が締め付けられる思いがする、まさに読み応え充分の歴史小説である。
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