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濱田德海蒐藏敦煌遺書 精装
方廣錩 編著
出版社:国家图书馆出版社
出版年:2016年09月
コード:423376   284p  31cm ISBN/ISSN 9787501359318
 
価格 53,900円
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本書は、日本人で旧大蔵省書記官だった濱田徳海(1899~1958)が蒐集した「敦煌遺書」36点を収録する。南北朝から唐代の写経が中心で、海外へ流出後、近年中国へ戻ったものとしては比較的まとまった量があり、敦煌学研究にとって重要な文献である。著名な敦煌学者・方広錩による各項目の記述や目録、序文が付されている。
濱田徳海は、1924年東京帝国大学法学部政治学科を卒業後、大蔵省銀行局、専売局、主税局等各部署を経て、1930年代から40年代にかけて対中国政策の中心であった興亜院華中聯絡部調査官に任じられ、北京や天津で活動した。その間、1924年杭州雷鋒塔倒壊時に発見された開宝八年(975年)銭俶施印の「宝篋印陀羅尼経(日本国会図書館蔵)」を始め、多くの中国文物を購入し、自身で『蔵珍目録:濱田徳海収集中国古代写経、写本、文書(未刊)』を編纂している。コレクションには敦煌文書が100点以上含まれ、その一部は康有為、李盛鐸の旧蔵品である。濱田徳海の死後、日本の金融および税務関連資料は母校である東京大学経済学部に寄贈され、「濱田徳海資料文庫」としてなった(100点ある敦煌遺書の内、多くはすでに国会図書館が買い上げているとのこと。本書の序文に詳細)。
今回の敦煌遺書36点中、北朝の写経が3点あるのが特徴。3点は以下の通り。

1) 伍倫第10号『大般涅槃経』巻一八、長さ311センチメートル、巻頭巻末欠落、楷書体。

2) 伍倫第20号『大智度論』巻一九、長さ627センチメートル、巻頭欠落、巻末有り、隷楷書体。巻末に「南海蔵経」「陶斎鑑蔵書画」の蔵書印あり、康有為の旧蔵品。

3) 伍倫第35号『大般涅槃経』巻二七、長さ778センチメートル、巻頭欠落、巻末有り、隷楷書体。巻末に「三仏庵主」「芰青所得至宝」「泗州楊士驄芰青鑑蔵金石書画印」「隋経室主」「士驄」「師寿石斎悦目怡情之品」の6つの蔵書印あり。

他にも注目するべきものは多いが、例として以下2点を上げる。

4) 伍倫01号『妙法蓮華経巻二』、巻頭欠落、巻末有り、経文11行、題記4行。題記に「顕慶五年(660年)三月十四日,済法寺沙門重遷師奉為師僧父母、法界倉(蒼)生,敬造『法華経』一部,願以斯景福,抜済有縁,同離苦源,咸成仏道」とある。

5) 伍倫08号『妙法蓮華経巻八』、巻頭巻末共に有り、長さ368センチメートル、極めて珍しい『法華経』八巻本である。一般に『法華経』は七巻本であり、巻頭に「彭法蔵」の三字が題してあり、「彭法蔵」という名もまた天津市芸術博物館所蔵の敦煌遺書第39号『妙法蓮華経巻四』の巻末に「開耀二年(682年)二月上旬,清信女彭法蔵敬写『法華経』一部,為法界衆生受持読誦,願見聞随喜,読誦受持,如説修行,并登仏果。」という記述が見られることから、伍倫08号は初唐開耀二年に写経されたと分かる。

濱田徳海はこれらのコレクションを主に骨董市で購入しており、それらの中に康有為、端方らの旧蔵品があったと思われる。敦煌遺書36点には、「南海蔵経」「曹善祥印」「徳化李氏凡将閣珍蔵」「歙許芚父游隴所得」等の蔵書印が26種類32箇所と多く、また日本人による題辞も若干見られ、これらも敦煌遺書流転の経緯を知る重要な記録となっている。
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