闘争の場としての古代史 東アジア史のゆくえ
上製
李成市
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出版社:岩波書店 |
出版年:2018年06月 |
コード: 420p ISBN/ISSN 9784000612760 |
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東アジア地域における歴史認識の共有はいかにすれば可能か。古代史研究の一国史観からの解放の道筋を探る。
近代以降の東アジアの歴史研究、とりわけ古代史は、ナショナル・アイデンティティの源泉としての役割を担い、現実の政治状況に深く根ざしながら展開されてきた。それぞれの「国民国家の物語」を超える古代史像を共有することはいかにすれば可能なのか。朝鮮半島を中心に古代国家の形成過程と地域文化を研究してきた著者が、歴史学の未来を問う。
目次: はじめに 第Ⅰ部 国民国家の物語 第一章 古代史にみる国民国家の物語――日本とアジアを隔てるもの 第二章 近代国家の形成と「日本史」「日本文化」の発生――新たな東アジア論のために 第三章 三韓征伐――古代朝鮮支配の言説 第四章 渤海史をめぐる民族と国家――国民国家の境界をこえて 第Ⅱ部 出土文字資料と境界 第五章 出土史料は境界を越えることができるのか 第六章 表象としての広開土王碑文 第七章 石刻文書としての広開土王碑文 第Ⅲ部 植民地と歴史学 第八章 コロニアリズムと近代歴史学――植民地統治下の朝鮮史編修と古蹟調査を中心に 第九章 朝鮮王朝の象徴空間と博物館 第一〇章 植民地期朝鮮におけるマルクス主義史学――白南雲『朝鮮社会経済史』を中心に 第一一章 近代日本のアジア認識――津田左右吉の中国・朝鮮認識を中心に 第Ⅳ部 東アジア世界論の行方 第一二章 東アジア世界論と日本史 第一三章 「東アジア」という歴史観――東アジア世界論からみた歴史と文学 注 あとがき 初出一覧
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