唐代の人は漢詩をどう詠んだか 中国音韻学への誘い
上製
大島正二
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出版社:岩波書店 |
出版年:2009年06月 |
コード: 224p ISBN/ISSN 9784000241458 |
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日本には漢詩の愛好者が多いが、漢詩が盛んであった中国唐代の人々は漢詩をどのような発音で詠んでいたのだろうか?反切や四声、韻書・韻図など中国音韻学の基礎や古代音研究の歩みを述べながら、復元の方法をていねいに説き明かす。そして唐代・長安生まれの杜牧「江南春」を同時代の人々がどう詠んだかの復元を試みる。
《目次》
話のまえに 第1話 漢詩と韻:中国音韻学への第一歩 Ⅰ はじめに Ⅱ 漢詩と韻のはなし 漢詩と韻/起承転結/漢詩と唐代の長安音 Ⅲ 古代中国語の音韻 古代中国語の声調/<平仄>をめぐって/ 音韻は変化する/「十(シフ)」をシンと読む 第2話 古代中国の音韻学-韻書と韻図をめぐって Ⅰ 中国の言語研究 独自の言語研究/訓詁学と文字学/音韻学 Ⅱ “反切”のはなし:中国で生まれた表音法 韻書と反切/ことばの音の単位:音節と音韻/ <双声>と<畳韻>:音節を二つに分ける/ <反切>のしくみ/<反切>を発明したのは誰か Ⅲ 「四声」のはなし:高低アクセント <四声論>を確立した沈約/<四声論>成立の背景/ 五声と四声 Ⅳ 韻書のはなし-韻引き字典 『切韻』:標準的な韻書の成立/くりかえされる『切韻』の増訂/ 『広韻』:『音韻』の最終増訂版 Ⅴ 韻図:現代的な音節表 インドの悉曇学の影響/韻図を受け入れる下準備/ 韻図作成のはじまり/『韻鏡』の成立/『韻鏡』の内容・仕組み 第3話 古代音の実相に迫る-清朝の古代音研究 Ⅰ 古代音の復元にむかって カールグレンの不朽の業績/明・清の上古音研究/上古音研究の背景 Ⅱ 古音研究の夜明け 古音に目覚める/古音研究をめぐって Ⅲ 古音研究の開花 研究者、次々に登場/段玉裁:清朝古音学の第一人者/ 『六書音均表』:段氏古音学の結晶/ 声母を探る:銭大昕の新発見/古音の研究とことばの探究 Ⅳ 中古音の探究 陳[レイ]と<反切系聯法>/<正例>と<変例> 第4話 古代音を復元する-杜牧「江南春」を唐代音で読む Ⅰ 近代的な古代音研究への旅立ち 歴史言語研究所の創設/カールグレンの『中国音韻学研究』/ カールグレンと並称されるマスペロ/カールグレン後の研究状況/ <上代特殊仮名遣い>と『韻鏡』/ カールグレンが見通した<重紐>の問題とは/ <重紐>の研究を進展させた有坂秀世と河野六郎 Ⅱ “中古音”復元の方法 復元音には限界が/実際の発音(音価)推定の拠りどころ/ 復元作業の実例:方法とプロセス/中古音・唐代長安音の音価/ 唐代長安音の音調はどうだったか/杜放「江南春」を長安音で読む 注 あとがき 附録 李白「秋浦歌」/李商隠「楽遊原」/張継「楓橋夜泊」/ 王翰「涼州詞」/参「碩中作」/白居易「対酒」/柳宗元「江雪」/ 杜甫「春望」/李白「子夜呉歌」/孟浩然「春暁」 索引
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