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中国辺境地域の50年―黒河流域の人びとから見た現代史  
   

編著者のことば

そもそも現在の中国西部は、歴代の中華王朝にとっては辺境の地であった。異質な人々が住まう地、あるいは異質な人々との接点となる地であったということであろう。確かに中華王朝にとってはそうであったかもしれない。だからこそ、数々の戦乱を経験してきている地ではある。そこに暮らす人々にとって、心穏やかな日ばかりではなかったであろう。しかし考えてみれば、それはその地に暮らす人々のせいではなかろう。彼らはさまざまな政策や外交関係の軋轢の中で、いわば翻弄されてきたのだと言い換えられるかもしれない。最近五〇年の歴史の中でも、さまざまな政策の転換や国際関係の軋轢の中にさらされてきた。しかしその中で、なんとか、あるいは頑強に生き延びてきた人たちが暮らしている。その人たちの生き様を何とか考えたい、というのが本書の意図である。(編者「まえがき」より)

 
   

構成

まえがき(中尾正義)
第一部:中国西部の五〇年と黒河流域
中国の社会主義建設と「西部」の環境(フフバートル)/黒河流域の自然と水利用(窪田順平)/“地域”をつくる人々―甘粛省張掖地区の人口流動史(中村知子)/コラム:氷河の恩恵(坂井亜規子)/コラム:黒河流域の気候と降水量の変化(谷田貝亜紀代)
第二部:人々の戦後史
「最上流」への流入移民史と生活の現状(尾崎孝宏)/エゼネの五〇年(児玉香菜子)/流域の生態問題と社会的要因―黒河中流域の高台県の事例から(マイリーサ)/黒河中流域住民の自然認識の動態(シンジルト)/黒河中流域における水利用―張掖オアシス五〇年の灌漑農業(陳菁)/消え行く歴史―ある老女の語りから(小長谷有紀・サランゲール)/黒河に生きた人々(中尾正義)
あとがき(中尾正義)

 
   
   
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