2003年度日本ビジネス中国語学会
第12回ビジネス中国語(商务汉语)
2003年 4級 参考解答と解説

第一問

解答

問1 ③

問2 ④

問3 ②

問4 ①

問5 ③

B

問1 ④

問2 ③

問3 ①

問4 ②

問5 ③

C

問1 ③

問2 ②

問3 ②

問4 ①

問5 ③

解説

 4級の検定に必ず出題される中国語の発音の基本が出来ているかどうかを問う問題。出題されている単語或いは文字などは、いずれも基本用語または常用される文字であり、正誤を確認し、解説を参照にしてしっかり覚えておく必要がある。

Aの出題
 

単語として、特にビジネスにおいては常用されるもので、まず単語の意味も理解出来る必要がある。また文字によっては、二通りの発音を持つものがあるので、要注意。

問1 単語としての意味は、ほぼ日本語と同じ「成長」の意味。特に「長」の発音には、「長い」を意味する「cháng 」と「大きくなる、成長する」を意味する「 zhǎng」とがあるので、注意すること。またこの2文字は日本語で音読みしても「ん」が付かない。従って中国語の発音においても、絶対に「n」で終わることはありえないので、これも解答のヒントに使える。ただ日本語の「経済成長率」は中国語では「经济增长率」となる。

問2中国語の「合同」は、日本語としては「契約」の意味。「同」の発音は、本来「tóng」つまり第2声である。しかし意味が「契約」として使われるときは、軽声になることに注意。

問3この単語を繁体字で書けば「行業」となる。日本語としての意味は「業種、職種」のこと。「行」の中国語の発音も二通りある。一つは「よろしい、問題ない」という意味の「xíng 」と、「業種」という意味の「 háng」。

問4「私営」の意味。「営」の中国語簡体字「营」に注意。「私」の発音「sī」は実際に声に出して発音する場合、日本人は安易に「シー」と発音してしまうことがよく見かけられる。子音「z、c、s」の後ろにくる母音「i」は、文字では説明しがたいが、決して「イー」ではない。口の形は「イー」で「ウー」発音するとよい。単語の意味として、その反対にあるのが「国営」である。

問5単語の意味は日中全く共通である。発音で気遣うのが「増」が捲舌音ではないこと。

Bの出題

ピンインの三要素(子音、母音,声調)のうち、もっぱら声調の正否を問うもの。当然のことながら、頭に出題された単語の読みが正しくできない限り、話にならない。しかしいずれも基本単語であるので、しっかり覚えておく必要がある。

 ちなみに問1から5まで頭に出題されている単語の意味は、
 1.問題
 2.発生
 3.旅行・観光
 4.方法
 5.勝手に、自由に。
またそれぞれの中国語としての声調の組み合わせは、
 1.4声+2声
 2.1声+1声
 3.3声+2声
 4.4声+3声
 5.2声+4声

Cの出題

ピンイン三要素(子音、母音、声調)のうち、もっぱら子音に関する知識を問うもの。当然のことながら、頭に出題された文字の読みが正しくない限りできない。

問1から問5まで出題されている文字の読み方は、
 1.shì
 2.jiě
 3.qiē
 4.sī
 5.pǎo

第二問

解答


进行工作

仕事をする


经营能力 

経営手腕


贸易公司 

貿易会社


经济增长

経済成長

解説

問1 「进行」は日本の漢字で書けば「進行」である。しかし中国語としての意味は日本語の意味よりも更に幅広く使われることに注意しなければならない。「とりおこなう、する」という意味でも結構多用される。次に「工作」、これは日本語にもある単語である。この場合は日本語の意味のほうが幅広く使われる。例えば小学校の「工作の時間」など。中国語では名詞としては「仕事」であり、動詞としては「 仕事をする、働きかける」など。

問2 「経営能力」とそのまま直訳してもかまわない。

問4 中国語の「增长」は、日本語では「成長」となる。

第三問

解答

1 ②

2 ③

3 ③

4 ①

5 ②

解説

問1
 鍵は前の文中ににある、「…等…后」にある。これは「…を待って、その上で…」と続く構文になる。ここで間違いやすいのが、日本語としては「また…する」と続けることもあるので、中国語でもつい「又」を使いたくなること。中国語の「又」は完了形に続き、例えば「他又迟到了」「彼はまた遅刻した」のように使うことが多い。「等…再…」は「…してから…する」の決まった構文で、「再」以外には考えられない。

本文の日訳:この問題はみなが来るのが揃ってから相談することにしよう。

問2
 問題を解く鍵は「负责」「責任をとる」という動詞にある。「誰によって責任がとられるか」を表現するときには、「由…负责」とする。「責任所在」をより明確にする表現である。

本文の日訳:われわれの会社は社長が経営管理の責任をとる。

問3
 「虽然…但是…」は中国語の複文を構成する文型として、もっとも普遍的なものの一つ。日本語としての意味は「…ではあるけれども、しかし…」。

本文の日訳:この工場は規模は決して大きくはないが、生産された製品の品質はなかなかすばらしい。

問4
 文の前半に「目的」という単語が入っている。「目的」は何であるか。「目的」についての説明は、「それは…のためである」というべきである。ちなみに②「因为」「なぜならば」は理由について説明するときに用い、「所以」「だから」は結果について述べるときにそれぞれ文頭に用いる。

本文の日訳:今回私が中国に来た目的は、ユーザーのわれわれに対する要望を知るためである。

問5
 これは前文および選択肢それぞれの意味を確実に理解できないと選択が難しくなる。「说汉语说得太快了」は動詞に目的語と程度補語の付いた形で、「中国語を話すその話し方があまりにも速い」の意味。そこで「私たちは少し….」となる。選択肢はいずれも可能補語の否定形。①「聞き終わることができない」②「聞いても理解できない」③「聞こえない」そこで、解答は②

本文の日訳:先生の中国語の話し方があまりにも速いので、私たちは聞いてもよく理解できない。


第四問

解答

解説

小李每天工作到深夜。

「…まで仕事をする」は“工作到…”のパタンで表現する。

我马上跟厂方联系。

「…と連絡する」は“跟…联系”のパタンで表現する。“马上”「すぐに」などの副詞は前置詞(介詞)“跟”の前に置く。

他们一起回北京去了。

「…へ帰る」は“回…去”のパタンで表わす。したがって「北京へ帰った」は“回北京去了”となる。“*回去北京”という語順は誤り。

他好像不是技术人员。

「まるで…のようだ」は“好像是…”。その否定形「…ではないようだ」は“好像不是…”で、“不好像是…”ではないことに注意。

房租比去年贵了不少。

比較の結果によって生じた差異は、形容詞の後ろに置く。したがって「かなり値上がりした」は“贵了不少”となる。ちなみに「ちょっと値上がりした」は“贵了一点儿”、「100元値上がりした」ならば“贵了一百块”である。

第五問

解答・解説

2階のビジネスセンターでインターネットが使えます。

“商务中心”は「ビジネスセンター」。“网”は“因特网”(インターネット)、動詞の“上”と組み合わさって、“上网”で「インターネットにつなぐ」という意味になる。

李さんにこの会社の状況を紹介してもらいましょう。

前置詞(介詞)の“让…”は「…に~させる」という使役表現を作る。

ブランド品が必ずしも良いとは限らない。

“名牌儿”とは「有名な商標」すなわち「ブランド」。“不一定…”は「必ずしも…ではない」という部分否定の表現である。ちなみに“一定不…”は「必ず…ではない」という全否定になる。


第六問

这儿可以发传真吗?

「ファックスを送る」は“发传真”。文頭の「ここで」は主語の扱いにして、前置詞(介詞)の“在”をつける必要はない。

您可以用现金,也可以用信用卡付钱。

「…して構わない」は助動詞の“可以”を使えば良い。「現金で」は“用现金”、「クレジットカード」は“信用卡”、「(お金を)払う」は“付钱”。

请问,哪儿可以换人民币?

「人民元に両替する」は“换人民币”。

您这次想参观哪些地方?

「どういった所」は“哪些地方”、“什么地方”などと表現すればよい。「見学する」は“参观”、「…したい」は助動詞“想”や“要”を使う。

这是我们今年的产品目录。请看一下。

「製品カタログ」は“产品目录”。「私共の今年の製品カタログ」を中国語に訳す場合、「の」に当たる“的”は重複せずに名詞直前の最後の位置にだけ使えば良い、すなわち“我们今年的产品目录”となる。

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