第四回日本ビジネス中国語(商务汉语)
3級検定試験問題解答と解説

第1問
1.経済建設と企業改革に話がおよんだ際、朱鎔基総理は「要するに、問題は結構多く、しかも山積しているということだ」と述べた。
   解説:主語と主な動詞はなるべくくっつけること。これで分かりやすくなる。
   用語:一大堆
2.浙江省では近年、紡織品原材料価格が引き続き下落傾向にあり、綿布価格はいくぶん上昇している。
   用語:走低 略有
3.業務関係の確立と直接商談による成約のため、われわれは1つのチ―ムを派遣し主要メ―カ―を訪問させる。
   解説:“以便”の前は手段、後ろは目的なので、日本語の発想に合わせひっくり返すのが望ましい。「倒訳」という。
   用語:厂商 洽谈
4.外国の取引先は、品質安定と供給継続の実現を貴方に求めている。
   解説:“要求”のような兼語は、後ろから前へと訳すのがよい。
   用語:质量 供货
5.もし90日経過してもデリバリ―できない場合、双方は契約の有効性につき協議する。
   解説:“是否”“是不是”。
6.聞くところによると、スウェ-デン、ベルギ-、スペイン、カナダ、メキシコ、フィリピン等で、取引先が最近しだいに増えている。
   解説:“最近”は述語に近づける。国名は正確に。
7.米ドルのレ-トが変動しているので、当方の価格も随時いくらか変動がある。
   解説:“有所”は「若干」のニュアンス。
   用語:美元 汇率
8.貴方からのクレ―ムにつき、当方は、契約の規定どおり仲裁による解決を提案する。
   解説:“按照”は「…にのっとり」の意味。「…による解決」のほうが「仲裁で解決する」より簡潔。
   用語:索赔 仲裁
9.もし貴方がベストプライスを提示するなら、当方は発注数量の増加を考慮してよい。
   解説:“可以考虑”は「考慮する用意がある」と訳すこともできる。
   用語:优惠 订购
10.2000年までに、A社の対中国投資は倍増して6億米ドルに達する。
   解説:“翻一番”はマ-ジャン用語として日本でも知られる。ちなみに“翻两番”は4倍。

第2問:次の文を中国語に訳しなさい。

1)大阪滞在中に貴社を表敬訪問したい。

参考解答:a在大阪逗留期间,拟拜访贵公司。
b 停留在大阪的时候, 我们想(希望)访问贵公司。
解説:「滞在中」は「停留在~的时候」もよいが「逗留期间」のほうがビジネス文らしい表現である。「表敬訪問」は一般の「訪問」より「拜访」のほうがよい。
用語:滞在中、表敬訪問、

2)20日までにわが方へオッファーして下さい。

参考解答:a 请在20日前,给我报价。
b 20号以前,请向我方报盘。
解説:「~日までに」は「在~日前」「~号以前」と「~天以前」と中国語では区別がある。「在~日前」「~号以前」は~月~日という具体的日時までを指すが、「~天以前」はある日時の何日か前までという意味があるので要注意である。「オッファー」は「报价」「报盘」「报价格」などがある。
用語:~日までに、オッファー

3)わが社が期日通りL/Cを開設します。

参考解答:a我公司按期开证。
b 我公司按照日期开立信用证。
解説:「期日通り」は「按照日期」「按期」「根据日期」「根据规定日期」などがある。
「L/C開設」は「开立信用证」「开设信用证」とも言うが「开证」がよい。
用語:期日通り、L/C開設

4)今回の発注量は従来のよりもかなり多い。

参考解答:a和以往相比, 这次的订货量相当大。
b 这次订货的数量,比以前大得多(多得很・大得很)。
解説:「発注量」「订货量」「订购量」「订货(购)的数量」もよい。「従来のよりも」は「比以前」「比过去」「比以往」がある。「かなり多い」は「大得多」「相当大」「多得很」「大得很」日本では「量は多い」といい「大量」以外は「大きい」とは言わないが、中国語では大きいを良く使う
用語:発注量、従来のよりも、かなり多い

5)今回はクレーム問題の交渉をしたいと思う。

参考解答:a这次想商量索赔问题。
b 这回希望协商谈索赔问题。
解説:「今回」は「这次」「这回」もある。「クレーム問題」は「索赔问题」とし「求償」という意味を表現する。「赔偿问题」は前記と似ているが「弁償する」つまり「非を既に認め弁済するための交渉」という意味になる。「交渉」は「谈」でもよいし、「商量」「协商」「商谈」でもよい。「商谈」は日本語の「商談」という意味はなく、「相談」の意味で使われる。「协议」は「協議書」という意味もあり場所によって使える場合もあるが、ここでは「协商」しか使えない。「したいと思う」は「想」「希望」「希」でもよい。
用語:今回、クレーム問題、交渉、したいと思う

第3問
1.为了:目的を導く介詞“为了”を選ぶ。全文の意味は「貨物準備に都合が良いように、分割輸送をお許しください」となる。
2.按:根拠を導く介詞“按”を選ぶ。全文の意味は「差額は最終的に契約価格に基づいて決算する」の意味。
3.在:時点を導く介詞“在”を選ぶ。全文の意味は「L/Cは納期の30日前に当方宛ご開設ください」となる。
4.会:可能性を表す助動詞“会”を選ぶ。全文の意味は「L/Cによる支払方法では当方の輸入品のコストを上げることになる」となる。
5.对:対象を導く介詞“对”を選ぶ。全文の意味は「すべての条項に対して、我々は一致した認識を持たねばならない」となる。
6.相差:“A和B相差”で「AはBと…の差がある」の意味を表す。よって、この文は「この荷物の実際の重量はインボイスと35tの差がある」の意味になる。
7.的:“是…的。”は「…なのだ。」という断定を表す構文。この文は「貨物は埠頭で船へ荷積み中に操作の不注意で損壊したのだ」という意味になる。
8.和:“A和B相比”で「AとBを比べあう」という固定表現。そこでこの文は「この製品の価格を去年と比べてみると少し変化がある」の意味になる。
9.以便:目的を導く接続詞“以便”を選ぶ。全文の意味は「当方の価格調整の便をはかるために、御社の予定されているおおよそオーダー量を仰ってください」となる。
10.按照:「…にしたがって」の意味を表す“按照”を選ぶと、全文の意味は「日程の段取りがすでにつきましたので、すべてこのスケジュールにしたがって行われるよう希望します」となる。

第4問
①电脑 ②コンピュ―タ- ③chǎngjiā ④メ―カ― ⑤jìngzhòng ⑥正味重量 ⑦ 库存 ⑧kùcún ⑨风险 ⑩fēngxiǎn

第5問
1.(a)拉美(b)贬值
2.(A)于(B)由于
3.①全市の輸出に占める比率は50%まで高まり、一昨年より5ポイント高   
   くなった。
  ②ハイテク製品を生産する外国企業と、多様な協力の道をさぐり、
解説
 第4問の解説は毎年同じ。

 第5問 長文読解は、まず全体の意味の把握が不可欠である。この文章は上海の輸出に関するものだが、①では%やポイントの慣用表現、②では長い目的語の中の主成分を見分ける力が問われる。

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