1.『明朝那些事儿(大結局)』(明朝それらのこと 完結編)
当年明月・著 中国海関出版社 2009年4月初版
2.『暮光之城:破暁』(トワイライト:Breaking Dawn)
ステファニー・メイヤー著(米) 張雅琳ほか訳 接力出版社 2009年5月初版版
3.『公務員筆記』(孟子の知恵)
王暁方・著 作家出版社 2009年6月初版
『駐京弁主任』『市長秘書』『外科医生』など社会派のヒューマンストーリーがいずれもベストセラーとなる作家・王暁方。
『公務員筆記』では、東州市政府弁公庁の総合二処を舞台に、「汚職一掃」闘争に直面した楊恒達ら一般公務員たちの運命を描く。「人の心の奥底に埋もれている危機感を、深くえぐり出した」とは本書の推薦文。
王暁方の作品が売れ続けるのも、それだけリアルで身近な物語だからなのかもしれない。
4.『晩間西紅柿減肥』(夜トマトダイエット)
唐沢明・著(日) 北方文芸出版社 2009年8月初版(奥付)
今年1月、日本のぶんか社から出版された話題書『夜トマトダイエット』の中国語版。
85万部の大ベストセラーとなった『朝バナナダイエット』の姉妹本だそうだが、「バナナ」の中国語版は『神奇巴娜娜!香蕉早餐減肥法』として今年7月、広西科学技術出版社から競い合うように出版されている。
『夜トマトダイエット』では、トマトを上手に摂取して、「美やせ+美肌」をめざしましょうと著者。「夜にトマトだけを食べれば痩せる」とススメているわけではないので、本書をよく読んで気をつけたいところだ。
5.『自動自発(修訂版)』(原題『Willingness』)
エルバート・ハバード著(米) 陳書凱・編訳 天津科学技術出版社 2009年6月初版
仕事の効率を説いた『ガルシアの手紙』で有名なエルバート・ハバード(1856~1915年)の自己啓発本。人に頼まれてではなく、自ら進んでやることの重要性を説いている。そのポイントは、仕事に対して「勤勉に」、会社に対して「敬意を払い」、社長に対して「忠誠を尽くし」、自分に対して「自信を持つ」こと。公務員やビジネスマンの“必読の書”であるという。中国の機械工業出版社から2004年に出版された本の改訂版。
6.『最好的医生是自己』(最良の医者は自分)
著洪昭光・著 科学出版社 2007年2月初版
著者の洪昭光氏は、中国衛生省の首席健康教育専門家。共著の『登上健康快車』(健康急行に乗る)が2002~03年、中国で大ベストセラーに。その後は「健康の使者」「健康伝道師」などと尊称されて、テレビや講演会でも引っ張りだこの著名人になっている。
本書では「日に八千歩」「八時間睡眠」「三食腹八分め」といった健康な体をつくるための“八字歌”をはじめ、適度な運動と“禁煙限酒”、ストレス発散と心のバランス保持など、とりわけ中年以降の世代にすすめたいヘルシーライフを紹介。
「健康は、大病院や名医だけには頼れない。健康の金のスプーンは自らの手中にあるのです。60歳で病気がなく、80歳で若々しく、リラックスして100歳に……」などと著者は述べている。
7.『盗墓筆記(伍)』(墓盗掘ノート5)
南派三叔・著、中国友誼出版公司、2009年7月初版
今から50年前、墓あらしの盗賊が見つけた帛書(はくしょ=絹織物に書かれた書物)には、珍奇なまでの戦国古墓の位置が記されていた。だが盗賊たちは、不慮の事故でほぼ全員が犠牲となる。
50年後、帛書の秘密を暴こうと、盗賊の子孫の1人が仲間とともに古墓へ向かう。だが、奇妙な棺おけや青目キツネのしかばねなど、墓の中での不思議な事象にはばまれて……。
2007年、ネット上で一部が公開されるとともに、若者たちの間で爆発的な人気を呼んだ冒険ミステリー小説、その第5弾、第1シリーズの最終巻だ。
8.『小団円』
張愛玲・著 北京十月文芸出版社 2009年4月第2刷
9.『藏地密碼7』(チベット・コード7)
何馬・著 重慶出版社 2009年7月初版
チベット仏教1000年の秘史を尋ねる「百科全書タイプ」の長編小説。紀元838年、吐蕃ランダルマ王の「廃仏」により、いっさいの仏教信仰が禁止された。膨大な数の経典や仏像などが僧侶たちに埋蔵されたが、時は流れ、現代の考古学者や生物学者、特殊兵、密教修行者からなる探検隊が、秘宝のゆくえを追ってチベットの奥深くへと分け入る。
歴史、地理、科学といった角度からチベットの神秘のベールを剥がす本書は、中国のオンライン書店「当当ネット」「卓越ネット」で連続38週間、小説部門のベストセラー第1位に輝いた。シリーズ全体では、売り上げ合計が300万冊を超えたという。
10.『巴黎没有摩天輪』(パリには観覧車がない)
浅白色・著 北京燕山出版社 2009年6月初版
〈観覧車はたとえ最高点に達しても、無限に近づいたとしても、風景だってあなたのものにならない。1巡すれば、孤独になって観覧車から離れるだけ……〉。
都会で、ファッション誌の編集者として忙しい毎日を送るヒロイン・寧黙。イマ彼とはつかず離れずだし、ルームメイトはモデルをしながら、どこかの出口を探しているよう。すべては始まっているのに、すべての終りが見えない。まるで観覧車の中にいるように、彼ら彼女らの運命は、どんな終点にたどりつくのだろう……。
注目の女性コラムニストが描く、ライトでキュートな愛と青春の物語。
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