1.『優雅』(A Guide to Elegance)
Genevieve Antoine Dariaux著(仏)/曽淼訳 当代世界出版社 2005年1月初版
ニナ・リッチでファッション・アドバイザーを務めていたという筆者が、「すべての女性に贈るエレガンス・ガイド」。アクセサリー、年齢、カクテル・パーティー、理想的なファッション、結婚、夫、妊娠、お葬式など、アルファベット順に並べたテーマについて、エッセイ風にアドバイスする。挿絵入りのデザインもおしゃれ。
エレガンス(上品さ)を説くこの本が、北京っ子たちに読まれているのも、国際化の表れだろうか? 男性とケンカしても負けない"女傑"の多い中国では、ある意味では喜ばしいことかもしれない(!?)。
2.『達・芬奇密碼』(原題『THE DA VINCI CODE』)
ダン・ブラウン著(米)/朱振武・呉晟・周元暁訳 上海人民出版社
3.『天使与魔鬼』(天使と悪魔)
ダン・ブラウン著(米)/朱振武など訳 人民文学出版社 2005年2月初版
世界中の推理ファンを魅了した『ダ・ヴィンチ・コード』の著者ダン・ブラウンの前作。最新科学を駆使するテロリストとバチカン市国の枢機卿が対決するという、科学と宗教、歴史的な要素を織りまぜたスピード感あふれる追跡劇がくりひろげられる。
4.『他改変了中国―江沢民伝』(彼が中国を変えた―江沢民伝)
ロバート・ローレンス・クーン著(米)/于海江ら訳 世紀出版集団 上海訳文出版社 2005年2月第2刷
先の全国人民代表大会(全人代=国会)で、最後の指導者ポストであった国家中央軍事委員会主席を辞任して、注目された江沢民前国家主席。それに先だち、満を持して出版されたのがこの本。米国人ビジネスマンで中国研究家でもある著者が、江沢民氏の足跡――とくに中国の最高権力者であった江氏10年の功績をふりかえる。
『毎日新聞』のサイトによると、本書については有名な中国人作家と著者の間で、著作権論争が起きているという。また「江氏が少なくとも2年は"院政"を敷くことで、新指導部が合意していた」という秘密決議が明らかにされるなど、その内容も大きな話題となっている。
5.『世界最佳公司面試題』(ワールドベストカンパニーの面接試験問題)
デビッド・ベッカー、ロバート・リー著(米)/魯儒珏訳 企業管理出版社 2004年8月初版
「あなたの欠点を話してください」「初めて失敗した時の経験は?」「上司と意見が合わなかったらどうしますか?」
IBM、ソニー、マイクロソフト、コカコーラなど、世界的な優良企業で行われている面接試験をリサーチし、そのテクニックや最もふさわしい回答、実際の成功例などをわかりやすく解説している。「面接試験のバイブル」「米国大学生の必読書」とキャッチコピーに。
6.『哲学与人生』(哲学と人生)
傅佩栄著(台湾) 東方出版社 2005年1月初版
台湾大学の哲学学部教授の著者が、十数年にわたる大学での講義「哲学と人生」の精華をまとめた。「知は徳」であるとするソクラテスから、「神の死」のニーチェ、そして中国の儒教、道教の知恵、芸術と審美、教育と自我まで、幅広いテーマにわたって説き明かす。
7.『你的形象価値百万』(あなたのイメージは100ドルの価値)
イングリッド・ジャン著(加) 中国青年出版社 2005年2月第2刷
世界的に活躍する"イメージデザイナー"の著者が、ファッションやマナー、ふるまいに気を配ることで、その人のイメージが向上し、成功への道が開けると呼びかける。「微笑みは、国境のないことば」「即興の話にも、3週間の準備」など、思わずナットク!してしまうアドバイスと具体例がまとめられている。
8.『感動世界的50首歌和他們背後的故事』(世界を感動させた50の歌と、その背景の物語)
朱睿竑編著 中国華僑出版社 2005年2月初版
「カサブランカ」「ホテル・カリフォルニア」「ムーン・リバー」「ハウンド・ドッグ」などの往年の名曲から、セリーヌ・ディオンの「My Heart Will Go On」(映画『タイタニック』のテーマソング)まで、50の世界的ヒット曲を収める。
歌詞(中国語訳つき)や歌にまつわる話を写真入りで紹介し、とりあげた曲を収めたCDも付いているので、名曲の世界にどっぷりとひたれそう。ここに選ばれた50曲は編集者の好みなのだろうが、中国でもポピュラーな曲だといえるだろう。
9.『万物簡史』(原題『A Short History of Nearly Everything』)
ビル・ブライソン著(米)/厳維明など訳 接力出版社 2005年2月初版
宇宙の誕生から極小生物の細胞、「生命体」そのものまで、壮大なスケールで描く自然科学史。『Trilobite』(邦題『三葉虫の謎』)の著者リチャード・フォーティーなど、多彩な分野の専門家インタビューも組み込まれていて、内容に厚みを増している。
10.『中国式管理』
曽仕強著 中国社会科学出版社 2005年3月第2版
イギリス・レスター大学の管理哲学博士で、台湾の知恵大学学長、企業経営顧問などの経歴をもつ筆者が「中国式の管理」について詳しくリポート。中国古代哲学の「太極」にもとづくその管理思想とは、「安人」(人を安心させる、満足させる)という合理化の管理である。アメリカの管理哲学は「個人主義」、日本は「集団主義」、そして中国は「交互(相互)主義」である、と筆者。
西洋の成功例に学びながら、自国の文化や風土にあった管理システムを築いていこうと唱えている。
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